パチンコ業界に迫る”2020年問題”! 知られざるその実態をひも解く

パチンコホール

パチンコホールにとって、2020年は生き残りをかけた分水嶺になるという(写真と記事の内容は関係ありません)

 平成30年(2018年)2月1日に、新しい遊技機規則が施行される。ネット上では、来年の2月1日以降に現行機はすべて撤去される等の噂がまことしやかに囁かれているが、実際はそうではない。ほとんどの現行機は、通常の入替えによる撤去を除き、2月1日以降もそのままホールに設置されているはずだ。  パチンコ・パチスロ遊技機は、都道府県公安委員会の許可(検定)を得れば、3年間は設置することが可能である。また検定期間の3年間が終了しても、再度公安委員会の許可(認定)を得れば、更に3年間は設置することが許される。一般的にホールは、購入した遊技機を6年間使用することが出来るのだ。  今回の規則改正には、経過措置期間が設けられている。規則が変わったからといって、一気に全台撤去するというのは現実的ではなく、ホールの費用負担はもとより、遊技機を製造するメーカーの生産も追いつかないからだ。  今回の規則改正に関わる経過措置期間は、最大で3年間である。  現状、ホールに設置されている遊技機は、その遊技機の検定期間もしくは認定期間の満了日までは設置が許されたのだ。ちなみに、規則改正日以降に、検定期間を満了した遊技機が新たに認定を取得することは出来ない。  しかし、一部地域や遊技機によっては例外もあるが、設置後かなり期間が過ぎている遊技機に関しても、規則改正日前に認定の取得(前倒し認定)が出来ることとなった。  以上のことから、規則改正後も新しい遊技機であれば、おおむね2年半~3年間は設置が可能となる。ネット上で、一部のパチンコファンが騒いでいるようなことには、なりようがない。  規則が改正されれば、入替費用のない中小ホールの多くは店を閉めるだろう。そう思っている人も少なくはない。しかしそれも違う。  勿論、パチンコユーザーは年々減り続けており、パチンコホールの経営も厳しくなっている現状で、ホールをたたむ人たちもいるだろう。しかしそれは、規則改正の問題ではない。ただ競争に負けていっただけだ。
次のページ
パチンコ店の本当の危機は2020年である
1
2
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会