9月20日、「泉田裕彦ファンクラブ」主催の講演会で話す泉田裕彦氏
9月28日の衆議院解散にともなう総選挙(10月22日投開票)に自民党公認で出馬する、泉田裕彦・前新潟県知事の動向が注目を集めている。泉田氏は知事時代、避難計画やテロ対策、安全対策などの不備を指摘して柏崎刈羽原発の再稼働に反対、自民党政権とは対立した立場をとってきた。その泉田氏がなぜ自民党から出馬するのか。その真意を探った。
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9月10日、泉田氏を応援する団体「泉田裕彦ファンクラブ」主催の「講演会&懇親会」が都内で開かれた。張り込み取材をする新潟テレビ局のカメラマンを横目に会場のイタリアンレストランに入ると、入口で「自民党からの批判に対し与党でないと声届かない」と銘打った地元紙(9月9日付『三條新聞』)のコピーを手渡された。
そして予定時間よりも少し遅れて泉田氏が登場。「なぜ自民党から出るのか」という疑問を抱く約50人の参加者に自論を訴え始めた。
原発テロ対策について、外野からいくら言っても変わらない
「いま米朝関係が緊迫していますが、私は『原発にミサイルが当たったらどうするの』とずいぶん前から懸念していました。これは個人的に言っているだけではなくて、(田中委員長と面談した2015年に)知事会要望としてまとめたのです。
それに対して原子力規制委員会が何と言っているのか、ご存知ですか。『所管でない』と言うのです。『ふざけるな』と言いたいですが、『航空機テロも含めて、テロやミサイル着弾は規制の範囲を超える。国民保護法でやってくれ』と規制委員会は言っている。
国民保護法で動くのは自衛隊なのですけれども、『(柏崎刈羽原発の周辺住民の)44万人を避難させてください』と言ったら、自衛隊は『できません』と回答しています。誰も責任を負わない状態なのです。
外野からいくら言っても変わらない。知事会から(原子力規制委員会に)言っても変わらない。野党やマスコミが追及しても変わらないどころか、むしろフタをされてしまう。
とすると、どうすればいいのか。北朝鮮の脅威が高まっている中、このまま原発再稼働をすれば何のセーフティネットもないまま、皆様(日本国民)の生命や健康が危険にさらされてしまうということを、声を大にして言いたい」