カタルーニャ独立を問う住民投票で集結した治安機動隊員の待遇が悲惨過ぎるとスペイン各紙で話題に

白石和幸

チャーターされた客船は3隻だが、その一つがこのデザインの「MS Moby DaDa」だったから、ネットユーザーの格好のネタにもなった。 photo by RFBailey via Wikimedia commons(CC BY-SA 4.0)

 いよいよ間近になった10月1日のカタルーニャ州独立を問う住民投票。混乱が予想されるため、それに備えてスペイン政府内務省は治安の安全警備に治安機動隊と国家警察機動隊をスペイン各地から召集して増員している。その数は6000人に至る見込みだとされている。

 なにしろ、この住民投票はまさしくさまざまなものを「分断」している。

 スペイン政府は、この独立を問う住民投票自体が違憲であるとして実施を阻止する構えを見せている。一方のカタルーニャ州政府は、当然それを強引に遂行しようとしている。対立はこの二者だけではない。カタルーニャの住民の間でも独立支持派と独立反対派がほぼ半数に分かれて対立しているのだ。

 投票に必要な投票用紙980万枚は既にスペイン政府サイドの治安機動隊が押収している。押収の際に投票所をどこに設置するかという場所を示した資料も入手した。それを目安に治安機動隊と国家警察機動隊は投票所を包囲して住民の投票を阻止できる。

 さらに言えば、投票用紙の大半が既に押収されている現状では投票自体まともに行われるのかという疑問も生じている。

 このような現状から判断して、住民投票を実施することが非常に難しくなっているのをカタルーニャ州政府は承知したのか、捨て身の姿勢で住民投票に臨むかのように、プッチェモン州知事はネットで予定されている投票場所を公表した。両機動隊がそこで待機して投票を阻止するのを敢えて誘うかのような州知事の開き直りであるように思える。

 投票日にカタルーニャ州の全地域の投票所で独立支持派と反対派が全面衝突するのは必至である。それに両機動隊がどのように取り組むか全く想像できない。確かなことは、激しい騒乱が起きることは間違いない。

招集された機動隊員が酷い待遇に不満

 騒乱を懸念して、冒頭述べたようにスペイン内務省は現在4000人の治安機動隊と国家警察機動隊を6000人まで増員する予定だという。なにしろ、対するカタルーニャ自治警察は1万7000人の陣容だ。スペイン内務省にとっては、この1万7000人は、もはやまったく信頼できる存在ではないのである。なにしろ、自治警察の上層部が独立賛成派で占められているのだから、それもむべなるかなと言ったところだ。

 そのため、スペイン政府の信頼を担うことになった治安機動隊と国家警察機動隊だが、彼らの置かれている環境や待遇がお粗末すぎるとスペインの大半のメディアで話題になっている。

 特別に招集された彼らだが、9月20日から10月5日までの15日間を一つの目安として彼らが招集されている。この特別召集で内務省は隊員一人に支払われるのは、日毎に30ユーロ(3900円)の特別手当と洗濯代として10ユーロ(1300円)なんだそうだ。また隊員の出費を考慮して一人当たり<600ユーロ(78000円)を融通>している。それはいつもの勤務地に戻ってから返済することになっているそうだ。(参照:「OK Diario」)

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