「ホスピタルダイエット」で知られるタイ・ヤンヒー病院で減量薬を処方されてみた

 ただ、山田さんはヤンヒーの減量処方薬は誰にでも効果があるわけではないと警告する。 「私のほかにふたり、ヤンヒーの減量処方薬を試した人がいました。ひとりは最初は問題がなかったのですが耐性ができてしまったようで、効果が現れなくなったようです。もうひとりは身体に合わなかったみたいです」

山田さんが4月に受け取った3ヶ月分の減量処方薬の一部。本文中の厚生労働省のサイトを参照すると甲状腺ホルモンの錠剤に酷似している

 効果がなかった後者の女性はタイへの渡航経験はなく、ウェブサイトの代行輸入を利用したようだ。ヤンヒー病院はネット検索では「ホスピタルダイエット」と呼ばれる痩身薬にひたすら依存するダイエット方法の代表格として登場する。輸入代行業者も多く、中にはニセモノもあるようだ。厚生労働省のサイトでも「ホスピタルダイエット」などと称されるタイ製の向精神薬等を含有する無承認無許可医薬品による健康被害事例について」(参照:厚労省)というページまである。このページによると、ヤンヒーの減量処方薬およびそのニセモノには下記のような成分が含有されているとされる。 ジアゼパム(第3種向精神薬)、フェノバルビタール(第3種向精神薬)、フェンテルミン(第3種向精神薬、日本未承認)、マジンドール(第3種向精神薬)、アスコルビン酸(ビタミンC欠乏予防)、アセトアミノフェン(症候性神経痛など)、シブトラミン(肥満、日本未承認)、ビサコジル(便秘症)、ヒドロクロロチアジド(高血圧)、マレイン酸クロルフェニラミン(皮膚疾患など)、甲状腺ホルモン(甲状腺末)、フルオキセチン(鬱病)、ジオクチルスルホサクシネート(便秘症)、プロプラノロール(高血圧など)、フロセミド(高血圧など)、クロルフェニラミン(皮膚疾患など)など  いくつか日本では未承認の成分が見られるのが気になるところだが、ヤンヒー病院では開示していないため、実際に処方薬になんの成分が含有されているのかが一切わからない。  一応、タイの薬事法は日本のそれと中身は違えど、国民を危険にさらすようなものではなく、それなりに厳しいものにはなっている。ニセモノはともかく、実際にヤンヒー病院が処方したものであれば大きな問題はない、と信じるしかない。  いずれにせよ、代行輸入は問診を受けないので非常に危険極まりない。山田さんが話した後者の女性は幸か不幸か副作用があって長く続けられなかった。実際に山田さんも副作用はあったという。 「初日は頭痛がありました。ほんのわずかです。それは医師にも事前に言われていたことです。3日で慣れましたが」
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効果もあるが副作用も
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