Apple発表の新型「iPhone X」を手放しで評価できない理由

 ここまで新機能が盛りだくさんな新型iPhone Xだが、IT系に精通したライターによれば「サプライズ機能があるというと、率直に言えば、そうではない印象です」とやや手厳しい評価だ。 「もちろん、チップの高性能化に伴う処理速度の向上などは、順当な進化を遂げていますし、事前のリーク情報が、かなり的確だったのもひとつの要因かもしれません。しかし、総合的に見て、iPhone8/8Plus/Xにアッと驚くようなサプライズ機能があるというと、率直に言えば、そうではない印象です」  そこには業界の先駆者として10年走り続けたiPhoneだからこそのジレンマもあるという。 「Appleとしては初となるワイヤレス充電、新機能となる全面ディスプレイ化、Face IDなどもありますが、それすらアッと驚くサプライズ機能だと感じられないのは、逆にiPhoneが十分に成熟しきったデバイスの証でもあるといえるからかもしれません。  シリーズ共通の目玉機能は、ワイヤレス充電と言ったところでしょうか。Androidスマートフォンの一部機種で採用されていますが、普及しているか否かといえば、いまひとつ波に乗り切れていない感じです。  しかし、Appleが対応したということでスタンダードになっていく可能性は十分に考えられます。そういった意味では、今回発表されたiPhone8シリーズ/Xが普及の起爆剤としての役割を担っていくかもしれません」  また、プラス評価としては前述のディスプレイも要注目とも。 「iPhone Xに採用されるディスプレイは要注目。ホームボタンを省くことで全面ディスプレイ化を実現していますが、それでいて操作に不便があるかと言えば、なさそうに感じます。既存ユーザーに戸惑いはあるかもしれませんが、すぐ慣れるのではないでしょうか」  そんなiPhone Xの肝心の価格は、64GBが11万2800円で、256GBが12万9800円(どちらも税別)だ。かなり高額な印象を受けるが、これに関しては……? 「価格はiPhone8シリーズを含め、iPhone7シリーズよりも高め。ワイヤレス充電や全面ディスプレイなど、新機能にこだわりがないなら、無理して買う必要はないように感じます」 アイフォーン これまで10年間にわたってスマホの可能性を切り拓いてきたiPhone。新型モデルは市場にどのように受け入れられるのだろうか。 <文/HBO取材班>
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