Netflixなど動画配信サービス台頭で米映画館はどうなっている!?

全米第二位の映画館チェーンの動向は?

 AMCシアターズ (AMC Theatres) は、AMC Entertainment Inc. 社が運営する、北米で2番目に大きな映画館チェーンである。AMCはニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴ、フィラデルフィア、サンフランシスコ、アトランタ、ダラスなどで1位か2位を獲得するなど、全米で最も収益の高い映画館を展開している。  同社のプレゼン資料によれば、映画館の市場は巨大で安定的であり、コンサート、スキー、アメリカンフットボール、テーマパーク、メジャーリーグなどの他のエンターテイメントと比較して、消費者に対する映画の価格優位性があると記されている。(参照:「June 2017 Investor Presentation」)  また、AMCは映画館業界の革新を推進し、リクライニングシートへのリニューアル、食事や飲み物のメニューの充実(フルコースの食事とアルコールの提供など)、映像・音響の向上(リアルなサウンドが館内を満たすドルビーシネマなど)により快適で便利な映画館の提供に向けた取り組みを続けている。  投資家向けプレゼン資料には、リスクとして、動画配信サービスとの競合に関する記述があるのかと想定していたが、そのような記述は見られなかった。  米国で、動画配信サービスの隆盛の一方で、映画館の衰退が見られるのかと想定していたが、ここまでの文献リサーチの結果、そこまで大きな変化を見ることはできなかった。動画配信サービスの影響は、今までのところ、DVDのセル・レンタル市場の衰退に関係しているのに留まるのかもしれない。ただ、今後の動向を注視していく必要はあるだろう。 <文/丹羽唯一朗 photo by Derks24 via pixabay(CC0 Public Domain)
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