共和党内部からも批判の声! 史上最悪と非難轟々のトランプに寄る「DACA撤廃」決定とは?

白石和幸

各界から反発の声

 ドリーマーが抱える問題は、米国に入国した時は子供であったが、既に現在若者として家族を抱えている者や正規の職場で就労しているということから、仮にDACAが撤廃されれば、正規に働くことが出来なくなり、購入した住宅ローンの返済などにも支障をきたすようになる。また安定した職場も放棄せねばらなくなり、闇で低賃金で働かざるを得なくなるといった不安を抱えることになるからである。

 トランプ大統領に圧力を掛けてDACAの早急なる撤廃を訴えているのが、テキサス州の検事総長を始め、10州の検事総長らであるという。

 一方、1万7000人のドリーマーが居住しているワシントン州の検事総長やジェイ・インスレー州知事は彼らを保護するために法的訴えも辞さない構えでいる。(参照:「Mundo Hispanico」)

 テキサス州のハイテク都市オースチン出身のエディー・ロドリゲス民主党下院議員は「議会で解決策を見つけることなくDACAが廃止されるようになると、それは国家を荒廃させるに十分だ」「学生は授業料を払えなくなって退学する。就労許可が得られなくなり、家計は悪化する。そして我が国の経済も企業精神そして経済の活性化の喪失で後退する」と述べている。

 また、活動組織『One Texas Resistance』も議会での解決策を求めているが、「米国の強みは多様性にある。移民して来た若者は犠牲を払い、我々社会に貢献している」「我が国の学校で修学し、大学にも入学している」「あらゆる意味において彼らは米国人なのだ」という公式見解を表明している。(参照:「Mundo Hispanico」)

 アップルのCEOティム・クックは<「我が社の250人の従業員はドリーマーだ。私は彼らの味方だ。彼らは、米国人に与えられる価値と同様の敬意に値いする」>とツイートした。


 また、先の大統領選に挑戦したバーニー・サンダース上院議員も<「トランプのDACA撤廃という決定は、米国現代史の大統領として最も醜く残酷な決定だ」>とツイートした。


 共和党議員の間でもDACAの廃止に反対している議員もいる。DACAの撤廃が決定すれば共和党議員同士の内戦が起きる可能性も示唆されている。そのような事態になるのを避ける意味もあって、コロラド州選出のマイク・コフマン下院議員は下院で「ブリッジ法案」の制定の為の説得に回っているという。この法案が成立すれば3年間のDACAの延長が認められるのである。3年経過した時点でまた新たな法案も誕生する可能性も残されている。

<文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。

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