ただ、そもそもタイでは会社員というライフスタイルが定着したのがせいぜいこの30年くらいだ。つまり、今40代のタイ人の親が会社員というのはあまり多くない。20代であれば今でこそ会社員一家はそこそこにいるが、まだ今のタイの会社に対する考え方は日本の昭和50年代にすら到達していないくらいとも言われる。
若いタイ人にとって「会社員生活を満喫している人」というモデルがあまりおらず、まだ会社で働くことにピンときていない部分も少なからずある。そんな状況である上に、概念や育ってきた文化などのバックグラウンドがすべて違うのだから、日本人同士のように1を言って10を知ってもらうことが当然とは思わない方がいいのかもしれない。
<取材・文・撮影/高田胤臣(Twitter ID:
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