ユーザーの気づかぬ内に変更されるサービス――江藤貴紀「ニュースの事情」
2014.12.03
当初のプライバシーポリシーにはさほどの問題が無くても、多くのウェブ・PC関係のサービスは企業側による利用規約の一方的な変更により内容の変更が可能な定めとなっているため、勝手に利用規約が変えられて、気が付かないうちにデータが取られている事例は他にも事欠かない。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1411/27/news056.html
また加えていうと、サービスを提供する企業がプライバシーポリシーを遵守し、ユーザーの知らぬ間に書き換えるようなことをしなくても、内部の職員が勝手にデータを持ち出すこともあり得る。
典型的なのが、ベネッセ個人情報流出事件であり、元NSAのエドワード・スノーデン氏によるアメリカ国家機密の大量リークだろう。スノーデン氏の件などは、最高に強度な国家レベルのセキュリティの元にあると思われていたNSAのデータを漏らしているのだ。この様な場合は、もうただデータが持ち出されたソースの下にあるというだけで暴露・応用される危険がある。
⇒【その4】日本で進む「国勢調査IT化」は大丈夫なのか? に続く
【その1】ニコニコ動画の「思想信条・支持政党調査」、氏名などと紐付けて第三者に売却される可能性も
【その2】ワシントン・ポストが報じたiCloud、疑惑の挙動
【その4】日本で進む「国勢調査IT化」は大丈夫なのか?
<取材・文/江藤貴紀 (エコーニュース:http://echo-news.net/)>
【江藤貴紀】
情報公開制度を用いたコンサルティング会社「アメリカン・インフォメーション・コンサルティング・ジャパン」代表。東京大学法学部および東大法科大学院卒業後、「100年後に残す価値のある情報の記録と発信源」を掲げてニュースサイト「エコーニュース」を立ち上げる。
― ニコニコアンケートの大規模「思想信条・支持政党」調査に孕む危険性【3】 ―
ツイッター社が11月27日(日本時間)にプライバシーポリシーを変更して、ユーザーがインストールしている他のアプリケーションデータ情報を、デフォルトで取得することを始めた。
しかし、この件については、アナウンスが判りにくく、変更に気づいていた人はツイッターのヘビーユーザーでも少ないと思われる。少なくとも、週に2、3回しかやらない程度の人間では、当日中にたまたま気づく確率は50%以下である。また、いわゆるオプトアウト方式をとっていて、ユーザーが事後的にアプリ情報の提供を中止するという選択は出来るのだが、長ったらしくなりすぎるのと、ツイッター社のデータ取得開始がアナウンス直後に始まったことからオプトアウトをしても余り意味が無かったと思われる。
この情報は日本ではITメディアが27日に報じたが、紙の全国紙では毎日新聞が29日の朝刊で報道している。これは、すでにツイッター社が情報を取得し始めた後であった。つまり紙から情報を取得するのでは、データを取られるのが嫌だと思っても対策がまったく間に合わない、というか普通に調べていても一般人がそのプライバシーポリシーやサービス内容の勝手な変更に気づくきっかけはとても少ないわけである。
参照:
ハッシュタグ