次の波は音声機能!? 有力プラットフォームが続々参戦
AI単体のサービスとしては、人工知能を搭載した音声認識機能を備え、話しかけるだけで操作できる「AIスピーカー」は今年最注目市場である。
「米ネット通販大手アマゾン・ドット・コムの『アマゾン・エコー』や、それに追従するグーグル社の『グーグルホーム』の人気を受けて、ベンチャー企業も多く参入してきました」(河氏)
総務省も海外勢に対抗し、日本語の会話システムを官民共同で開発する方針を明らかにした。次世代の高速通信規格「5G」にも対応し、実証実験は来年度から開始され、’20年度の実用化を目指すという。
具体的な有望株として藤井氏は、オンキヨー、アドバンストメディア、フュートレックなどに着目している。
人工知能やロボティクスにこれまでにない市場の関心が高まるなか、藤井氏は冷静な分析を下す。
「マーケットの関心は高いが、新味には乏しくなってきている。各企業が人工知能絡みのリリースを出すと、一時的にはマーケットは反応するが、一過性のもので終わってしまうことが多い。株式を購入する際には、この視点は持っておきたい」
6月にはホットリンクが東京大学らと共同で、人工知能を用いたソーシャルメディア上のビッグデータ解析を発表したが、市場の反応は短期的だった。
「現段階では、人工知能の導入による業務の改善や収益がハッキリと見えていない。ただし人工知能やロボティクスは第四次産業革命と言われる大きな潮流。長期的に見ればポテンシャルの高い投資テーマなので、調整局面で仕込んでおいて、再び活況になってから売るのも良い作戦ですね」(藤井氏)