全員「起業家精神」を持っている、イスラエル人のしたたかさ

「日本で流行りそう」と言っただけで急展開に持ち込まれる

 以上のようなことが日常茶飯事なイスラエル。イスラエル人がすべからく起業家精神を持っているというのはこういう点なのである。  また、こんなこともあった。  あるお客さんと、タイ料理と日本食のフュージョンのお店に行き、帰り際にその店のオーナーと話す機会があった(イスラエルではある国とある国の料理を融合した、「フュージョン」が最近の流行でもある)。  お世辞抜きの感想として、「こういう料理は今まで食べことがなく、非常においしかった。日本人の口に合うので、日本に進出したら、流行ると思う」そう言うと、ここで真に受けるのがイスラエル人である。  「本当か、ありがとう。実は日本に展開したいと思って、今、日本に進出する料理の商品開発をした店を最近オープンしたので、味を見てらえないか?」とくる。  そう、私たちは、夕食を一通り食べた後、もう1件の店で彼の招待で、夕食を食べることになってしまった。勿論ごちそうしてくれた。そこで行ってしまうのも、私たちではあるが、これがイスラエルである。  私たちが普段生活する日常にチャンスは転がっており、隙あらばとチャンスを狙っているのは、素晴らしいハイテク技術を持った起業家ばかりではないのである。 【加藤 清司】 株式会社イスラテック代表取締役。1980年静岡県浜松市生まれ。2006年、「ある技術」に注目しそのルーツを調べ、イスラエルへと旅立ち2か月過ごす。現在、日本を代表するテクノロジー企業を対象に、イスラエルのスタートアップとのアライアンスを支援。2017年1月、『スタートアップ大国イスラエルの秘密』を出版。
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