日本酒保存のキモは温度管理!美味しく保存するための方法とは?
酒類総合研究所広報誌「エヌリブ」)
日本酒の劣化は紫外線によって起こる。紫外線は日本酒に対して多くの化学変化を起こすため、紫外線を通しづらい茶や黒色のビンで、日本酒を保存するのがよいとされている。熱に関しては、保存温度が高いほど、「老ね香(ひねか)」と呼ばれる独特のにおいがつき、くどい雑味のある味に変わっていく。また、日本酒は酸素に触れると、急速に酸化が進み品質が劣化する。
一方、熱に関してはどうか?
そもそも日本酒には生酒と火入れ酒(熱殺菌済み)の2種類がある。「生酒」は、熱殺菌を行っていないもの。火入れ酒とは、「火入れ」と呼ばれる熱殺菌をおこなったものである。「火入れ」とは、60度~65度くらいの熱を加えて酒中に残った微生物を殺菌し、酵素の働きを止めて酒質の安定化を図るために行う。通常、熟成させる前の原酒の段階で1回、半年程熟成させた後ビンに詰める際に1回、合計2回の火入れを行う。火入れ回数が、半年程熟成させた後ビンに詰める際に1回だけの「生貯蔵酒」もある。
「生酒」および「生貯蔵酒」の冷蔵は必須であるし、「火入れ酒」も温度管理は必須で、冷蔵が望ましい。「生酒」および「生貯蔵酒」の賞味期限が短いことにも注意したい。冷蔵であっても、賞味期限は「生酒」が3か月、「生貯蔵酒」は1年が目安となっている。
となると、いずれにしても日本酒を美味しいまま保存するにあたり、重要になってくるのは「温度管理」ということになる。
独立行政法人酒類総合研究所によれば、日本酒の酒質を劣化させる三大要因は光、熱、酸素であるという。(参照:1
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