弁護士費用は100万円!? 痴漢で逮捕されたらいくらかかるか計算してみた
もし痴漢で逮捕されてしまったら、どうなるのか。
痴漢事件に巻き込まれた場合、その容疑が強制わいせつ罪でなく、迷惑防止条例違反であれば、法廷で争う裁判にまでもつれ込むのは、被告人が容疑を否認しているときがほとんどだ。つまり、冤罪を主張している場合だ。
容疑を否認している裁判だと、第1回公判は「人定質問」から「冒頭陳述」までで終了し、検察側・弁護側の双方から申請される[証人質問]をはじめ、様々な証拠調べは次回からの公判に持ち越される。この証拠調べの場で、検証される証拠や、証人の数によって、裁判の長さが決まるといってもいい。
万が一、痴漢事件で有罪判決になった場合、迷惑防止条例違反であれば40万~50万円程度の罰金刑、強制わいせつ罪であれば6か月~2年程度の懲役刑に執行猶予がつくといった量刑が相場である。
刑事裁判は起訴されてから、実際に第1回目の公判が開かれるまで、およそ2か月かかるうえ、1か月に1回程度しか公判も開かれない。つまり事件が発生してから、裁判の判決が下るまで最低でも3~4か月、否認裁判であれば1年を超えることもよくある。
迷惑防止条例違反で、最初から罪を認めて略式手続き(前述)で罰金を払うと、だいたい30万円くらいで済む。しかし、容疑を否認して裁判で戦ってしまうと、裁判官が、
「罪を認めてないなんて、反省してない」
と判断し、罰金額が高くなってしまうのである。
また、弁護人に支払う弁護費用は、国選弁護人であれば無料だ。ただし、私選弁護人の場合、弁護人契約次第だ。事前にしっかり確認しておこう。
ここまで痴漢冤罪で逮捕されたときの送検や示談金交渉など一連の流れについて説明してきたが、今回はそこにかかる費用について説明したい。これは筆者の体験や取材に基づく事実である。本稿では、ただ事実を淡々と説明するにとどまる。法的なアドバイスについては専門家の意見を参考にしていただきたい。
痴漢事件で起訴された場合、そこに必要な費用は裁判期間によって変わってくる。痴漢事件の場合、初犯であれば、たいていの人はわざわざ法廷で裁かれる公開裁判ではなく、裁判を省略して逮捕直後にすぐに罰金を払って刑事手続きを終了させる“略式手続き”を選ぶ。
痴漢冤罪裁判にはいくらかかる?【1】
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