【株の裏道】知られざる地方の優良銘柄――九州編
2017.08.21
東京圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)の人口が3500万人を超え、より東京一極集中が進む日本。だが、地方に目を向ければ、そこには知られざる優良株が隠れていた。全国の銘柄を知り尽くした投資のプロが注目銘柄を厳選紹介!
昨年、震度7の震災に見舞われた熊本県。その痛手が、復興需要となって企業の業績へ返ってきている。
投資家ブロガーのかぶ1000氏は熊本に本社を置く「SYSKEN」に注目。
「電気通信事業者として、NTTの仕事を請けている企業です。これまで応急処置的な工事が多かったのですが、今後はインフラ整備が本格化するでしょうから、息の長い収益につながると予想できます。株価も非常に割安です。『常磐興産』(福島)もそうですが、被災地銘柄に投資するのは、復興支援としてもアリ」(かぶ1000氏)
割安銘柄に注目する彼にとって、九州は魅力的な企業が多いという。
「中央から独立した経済圏で存在感を発揮している企業が多いのかもしれません。たとえば、ユリカーゴという高付加価値の梱包材をつくる『大石産業』(福岡県北九州市)。フルーツに重みがかかりにくい梱包材で、ふるさと納税でさまざまな地域のイチゴを取り寄せたところ、ユリカーゴが複数の地域で採用されていてビックリ!」
同じ北九州市に本社を置く「第一交通産業」はタクシー業界の国内最大手だ。
「斜陽産業のなか、M&Aを積極的に進めています。福岡証券取引所の上場銘柄ですが、株式分割や優待拡充など、東証への上場の兆候があるのも好材料ですね」(かぶ1000氏)
日本創生投資CEOの三戸政和氏はラーメン店「一風堂」の経営母体「力の源ホールディングス」を挙げてくれた。九州だからといって、ややベタすぎる印象が……。
⇒【写真】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=145713
「いえいえ(笑)。マーケティング力の強さを感じるグローバル企業ですよ。経産省の補助金を30億円ほど調達し、今やロンドンなどの海外都市で展開中。さらには世界各国で店舗やメニューを現地好みに合わせてローカライズする徹底ぶりです」
レオス・キャピタルワークスのシニア・アナリスト佐々木靖人氏の挙げた「九電工」はビルの配電・空調設備がメイン事業。
「清水や大成などの大手ゼネコンと取引があるのは強みで、利益の多くは首都圏から。社員が9200人と多く、人的資源を活かした営業力にも定評があります。九州で高専を卒業したような人を大量に雇うことで、教育コストも浮かせています」(佐々木氏)
人材は地元から、利益は東京から。老舗企業の賢い振る舞いに、人気なのも納得!
【佐々木靖人氏】
レオス・キャピタルワークスブルー・マーリン・パートナーズ入社後、企業の戦略立案、IRコンサルティングに従事。’09年レオス・キャピタルワークス入社。ヘッジファンドを経て現職
【かぶ1000氏】
個人投資家・ブロガー中学生のときから株を始めた生粋の株式投資家。バリュー株への投資を得意とし、累積利益は3億1600万円を超える。ブログ「かぶ1000投資日記」を運営
【三戸政和氏】
日本創生投資CEOSBIインベストメントにて、投資先に経営参画しながら、成長戦略、株式公開支援、M&A戦略、企業再生戦略などを行う。兵庫県議会議員を経て現職
― 優良地方銘柄成長力がヤバい ―
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