パフォーマンスはカオスだが、演奏はかなり本格的。オーナー自らが一筋縄ではいかないような変人たちを集めたという
宮崎市某所のライブハウス。チカチカ光る電飾が散りばめられたド派手なメガネを装着し、上半身ハダカにラメ入りパンツ一丁でわやくちゃに踊りながら絶叫、しまいには客席まで降りてきて半裸のまま床を這いずり回る……。
南国の穏やかな街に似つかわしくないカオスなライブパフォーマンスを見せるのは、宮崎名物・炭火もも焼き発祥の店「丸万」のオーナーである前田龍好さん(56歳/ステージ名:スワッピング裸族)。昭和天皇の第五皇女清宮(すがのみや)がハネムーン中にお忍びで食べに行かれたことで、全国的に有名になった名店中の名店だ。
共演している他のバンドに比べても異色というか、変態というか、なぜ宮崎でこんなバンドを始めようと思ったのか。前田さん本人に聞いた。
炎を操り、名物の炭火もも焼きを仕上げる前田さん。職人然とした姿からは、ステージ上のパフォーマンスがまったく想像できない!
「うちのバンド、『アポウズ』は変態ではなくファンタジーパンクロックバンドよ。
人のバンドを見てたら無性に馬鹿なバンドをやりたくなって6年前に結成したの。絵でも音楽でもうまい人はおるけど、個性的でインパクトのある人が宮崎にはいない。
人情があって、優しくて、ちょっとおとなしめなのが県民性なんだけど、もっと大阪みたいに弾ける感覚があったほうがいいんじゃないかと思って。もっと馬鹿なエネルギーを出していかないと!」