優待株で後悔しない――失敗談に学ぶ必勝戦術とは?
2017.07.15
今や上場企業の30%以上が実施している株主優待。ブームが続きその優待品も多岐に渡るなか、“本当に得する”優待銘柄を達人が厳選ピックアップ!彼らが銘柄を選ぶ際の基準、狙い目など“優待戦術”についてもまとめているので、要チェック!
達人だって最初からうまく優待を“目利き”し立ち回っていたわけではない。達人たちの「優待にまつわる失敗談」を紹介したい。
「『銀の皿』や『釜寅』などのフードデリバリーを行う『ライドオン・エクスプレス』なのですが、業績の悪化による株価が下落によって優待利回りが5%を超えるほど高くなっていたんです。そのため『これはお得だ』と家族で100株ずつ保有していたのですが、業績の悪化が響き割引券が半額相当まで改悪されることに。そのせいでさらに株価も下落。結果的に損切りとなりました」(アナリストの谷山歩氏)
「ある銘柄で、買ったとたんに優待が廃止になったときはガッカリでした……。業績などから優待の拡充・改悪を推し量ることはできますが、それでも早めに発表してもらわないと困りますね」(“カリスマ優待主婦”と呼ばれる夕刊マダム氏)
優待利回りだけでなく、直近の株価の動き、業績などから企業の安定性を図ることも重要なのだ。さらには業績悪化のみならず、上場廃止で痛い目にあった達人もいるようで……。
「『北前そば高田屋』などが有名だった『タスコシステム』は豪華な優待品が届くことから超人気優待銘柄だったのですが、業績の悪化とともに優待品も改悪が続くことに。歴史のある企業で私も長い付き合いだったので、経営再建を応援する意味でも値下がり時に買い増しを続けていたんです。ですが最終的には上場廃止。じつはJALでも株価が下がった時に『これほどの会社が潰れることはないだろう』と4000株までナンピン買いしたのですがまさかの倒産……。上場廃止や倒産まで行かずとも、株主優待が廃止や変更になるリスクはどの銘柄にもあります。予期しづらい部分もあるのですが、現在、優待の改悪、廃止は、即売りするようにしています」(人気優待ブロガーのともさん氏)
株価下落時のナンピン買いは諸刃の剣。また優待の拡充・改悪も業績を見るうえでの指標となるようだ。さらに達人たちが「一番ガッカリする」と口を揃えて挙げたこんな失敗談もある。「初歩的な話なのですが、優待券の期限切れはショックが大きいですね。せっかく優待券を持っていたのに出費するなんて、こんなバカなことはないですよ。逆にお店に行ったはいいものの、まだ優待券が使える期間ではなかったこともあります」(有名優待ブロガーのぱんだ氏)
どんなに優待利回りが良くても、まずは購入する前に自宅、職場の店舗に使える店舗があるかどうかはしっかりチェックするのが大前提。これら彼らの貴重な失敗談を糧とし、より充実した優待生活を目指せ!
【谷山 歩氏】
元証券ディーラー。現在はYAHOO!ファイナンスで投資の達人として記事を執筆する個人投資家。著書に『超優待投資・草食編』(インカムライフ出版)
【ともさん氏】
ブログ「株主優待生活のすすめ」を日々更新する個人投資家。’00年ごろから優待中心の投資にシフトしたベテラン
【ぱんだ氏】
ブログ「ぱんだの株主優待生活」が人気の優待ブロガー。昼は会社員として働きながらコツコツ投資先を増やしている
【夕刊マダム氏】
これまで幾多のマネー誌にも取り上げられた“カリスマ優待主婦”。ブログ「夕刊マダムの悠々優待生活♪」
取材・文/城戸和弘 大格宗一郎(本誌)
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勝ち負けは株式投資の常。優待品に釣られすぎると痛い目にあうことも……。“失敗談”から学ぶべし!
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