無目的の訪問は門前払いされるが、とある時期を狙うことでイスラエルとのビジネスチャンスを掴めるという
中東のシリコンバレーと評されるイスラエルは、日本では、日毎に関心が高まっている。弊社でもイベント開催時のQ&Aで、「イスラエルに行くのは、いつがいいですか?」と、イスラエルに行ったことがないビジネスマンから聞かれると、私はいくつか答えを用意している。
訪問にあたってであるが、目的が定まり訪問する会社が特定されていれば何の問題はない。そう、困るのが、「なんとなく行って雰囲気を確かめたい」「どういうところか確かめたい」というのが、最初の動機としては多い。
イスラエルでは、表敬訪問の形では相手にされにくいので、目的が定まらずいきなり会社訪問をしない方が賢明と言える。
しっかりした会社であればあるほど、事前にミーティングの「目的(Agenda)」を詰めてくる傾向にある。相手にもビジネスがあり、家庭があり、「ただ、話を一方的に聞く」いわゆる、お互いのギブアンドテイクができない一方的な関係性だけでは、その後の関係も、上手く行くものも第一印象が悪いと上手く行かなくなってしまう
ただ、「あまり明確でない目的」でも、イスラエルには行ってほしい。現地に興味関心やビジネスのポテンシャルを感じるのであれば、一度は足を運んでみることをお勧めする。「百聞は一見に如かず」ではないが、「まず、行ってみる事」で変わってくることは多々あるし、現地でしか体感できないことを経て、その後どうするか発想が湧いてくることもしばしばである。
ビジネスマンに「まず、イスラエルに行く入り口」としてのお勧めは、頻繁に開催される国際カンファレンスへ行くことである。
現地では、毎月とは言わないが、2か月に1回程度は、大きなテクノロジーカンファレンスがあり、月によっては、毎週それなりの大きさのカンファレンスが開かれている。
テーマも、自動車、AI(人工知能)、フィンテック、セキュリティ、ドローンと最近注目のトピックスや、1年に3~4回程度は、イスラエルが得意とするサイバーセキュリティに特化したカンファレンスが開催されるし、ユダヤ教の休日が多くない月では、大きなカンファレンスも開かれている。
私自身も、イスラエル初渡航の2006年には、現地で、イスラエルイノベーションサミットが開かれる際に、渡航したのが初めてである。カンファレンスの参加費は、無料のモノから、1日数万円のモノまであるが、予算に応じて、興味関心のある領域のカンファレンスに参加してみればいい。カンファレンスの進行は、ヘブライ語ではなく、英語で開かれることが多いので、英語ができるビジネスマンであれば、何ら問題もない。
1点だけ気を付ける点を挙げておくと、ユダヤ教の祝日が重ならない日程で、大きなカンファレンスがある前後1週間程度で行くのがお勧めである。ユダヤ教の祝日に丸かぶりで行くと、本当にお店が全部閉まっていることや、カンファレンスのようなものが一切開かれないこともあるので、気を付けてほしい。
仕事柄、私も日本からイスラエルへ、ビジネスマンを連れていくことが多い。日本のビジネスマンの方は、最初は、「1週間も行くんですか?」と言われることが多いが、現地から出発するころには、「加藤さんの仰る通り、1週間でも少し短く感じます」と、行って印象が変わるビジネスマンが多い。