痴漢冤罪で逮捕されたら、最初に目指すのは“不起訴処分”
ここのところ痴漢事件や、そこから逃げ出した男性が線路を逃走する事件を相次いで目にする。
つまり痴漢冤罪で逮捕された場合、まずは検察レベルで不起訴処分に持ち込むのが最初の“出口”なのである。痴漢容疑を掛けられた場合、検察レベルで不起訴処分に持ち込むためにできることは、
・被疑者の無罪を証明できる証拠や証人を探す
・被害者と示談に持込み、被害届を取り下げてもらう
ということになる。
近年では初犯の場合、痴漢事件でも検察の勾留請求が裁判所に却下されるケースが増えてきたので、身柄拘束が解けて外に戻れる可能性が高くなってきたという。
だが、事件そのものは在宅捜査として継続しているので、警察や検察から取調べのために出頭を求められる日々が続く。出頭要請はそれほど頻繁でもないが、平日昼間の時間が指定されることが多く、正直、精神的に苦労の多い日々になるだろう。また、裁判所が勾留を却下する条件として、
「事件のあった路線の電車(またはバス)は使用しないこと」
という条項を加えることが多いため、事件の証拠や証人を自分自身で探すことは困難といえる。
そのように不起訴処分を勝ち取るための活動が、被疑者自身によってできない場合、頼りになるのが弁護士だ。
刑事弁護の経験豊かな弁護士を雇うことで、証拠や証人を探すのが不起訴への大きなポイントといえる。この場合、弁護士に掛かる費用は基本料金に含まれていることが多く、必要経費以外の活動費を請求されないケースがほとんどだ。
ある日、突然、痴漢容疑をかけられてしまった場合、その場で容疑を晴らすことは困難だ。近頃は鉄道会社の駅員や初動で駆けつけた警察官も、昔ほど捕まった被疑者を頭から犯罪者扱いするケースは減ってきたと聞くが、痴漢も立派な刑事事件であり、警察が認知した以上、
・検察への送検
・起訴・不起訴の判断
・(起訴ならば)裁判
といった刑事手続きが粛々と行われる。今回は、痴漢事件で“不起訴処分”になるまでの過程について述べたいと思う。これは筆者の体験や取材に基づく事実である。本稿では、ただ事実を淡々と説明するにとどまる。法的なアドバイスについては専門家の意見を参考にしていただきたい。
痴漢事件の場合は事件発生直後、ほぼ100%逮捕されて身柄が拘束されてしまう。これは実際に痴漢行為をしていようが、冤罪だろうが処遇は変わらない。この時点で“不起訴処分”になれるかどうかが実は決まってくる。
警察は逮捕後、48時間以内に被疑者の身柄も含めて、事件の指揮権を検察へと送る“送検”をする。検察の検事は送検されてきた事件を再度検証し、警察の主張どおり間違いなく被疑者が事件の犯人だと思えば、刑事罰を与えるために裁判を起こす“起訴”をする。
ただし、日本では起訴された場合、有罪判決が下る確率は99.9%を超える。逆に言うと、少しでも負ける可能性がある事件は起訴しないのだ。
不起訴処分を勝ち取るためにできること
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『痴漢に間違われたらこうなります!』 痴漢冤罪とどう戦うか!? |
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