消費税引き上げ、アベノミクス円安で中小企業ほど大打撃。円安関連倒産件数も大幅増加

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photo by Calita Kabir/Flickr

 帝国データバンクが消費税率の再引き上げに対する企業の見解について調査を実施し、11月25日に調査結果を発表した。それによると、消費税率再引き上げ、「時期を延期して引き上げるべき」が32.1%で最多。「延期」「現行維持」「引き下げ」を合計すると、企業の66.1%が予定通りの引き上げに否定的だということがわかった。 ※ 調査期間は2014年10月20日~31日、調査対象は全国2万3,327社で、有効回答企業数は1万755社(回答率46.1%)。  また、同時に発表された調査によれば、消費税率引き上げで仕入れ価格が平均3.7%上昇し、企業の4割が経常利益の減少に直面。特に、『小売』では6割を超えるという結果も明らかになった。  影響は小規模企業・川上産業ほど顕著だ。特に、資材などの価格上昇が顕著な『不動産』『建設』は仕入単価が大きく上昇していることで、収益環境を悪化させる要因となっている。また、『卸売』や『小売』など川下産業に比べて川上産業のほうが収益環境は厳しく、川上産業において原価の上昇を販売価格に転嫁できず、利益を悪化させている可能性が示唆される。  これは消費税率UP以外にも、“異次元”の量的・質的金融緩和政策で円安が進み、原材料などの輸入価格が上昇したことが資材の仕入れに影響している面も大きいだろう。  企業からも「為替の動向次第で、仕入原材料価格が上下するため、非常に先行き判断が難しい」(飲食料品・飼料製造、愛知県、小規模企業)や「円安による資材価格の上昇は建設業にとっては痛手」(建設、新潟県、中小企業)、「アベノミクス効果で輸入品をはじめとする仕入価格が上がり燃料も上がっている。中小企業は切迫した事態に陥っている」(窯業・土石製品卸売、福井県、小規模企業)など、価格交渉力の弱さや為替のリスクヘッジができない小規模企業などで自社努力だけではどうにもならない状況に直面しているという声が多く挙がったとしている。  帝国データバンクが11月11日に発表した円安関連倒産の動向調査によれば、2014年1~10月の倒産企業(負債1000万円以上、法的整理のみ)の中から、円安の影響を受けて倒産した「円安関連倒産」企業の累計は259件にのぼり、前年同期(92件)に比べて181.5%の大幅増加しているという。
帝国データバンク資料

※帝国データバンク資料より

 アベノミクスの結果を問う衆院選の動向に影響を与えそうだ。 ※参照 消費税率引き上げ後の仕入・販売価格に関する企業の動向調査 消費税率再引き上げに対する企業の意識調査 「円安関連倒産」の動向調査 <取材・文/HBO取材班 写真/Calita Kabir/Flick
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