“2人たどれば大統領にたどり着く”小国イスラエル流ミラクルとは?

加藤清司

「中東のシリコンバレー」と呼ばれ、近年の発展が著しいイスラエル。国土の狭さゆえに起こるメリットとデメリットとは?

 イスラエルと言えば、中東のシリコンバレーとしての日本での知名度も徐々に出てきただろうか。今回は、イスラエルのいろんな「狭さ」について皆さんへお伝えしていく。

 まず1つ目は、「国土の狭さ」である。面積は2万平方キロメートル、1.9万平方キロメートルある、四国よりほんの少し大きい程度である。もともと砂漠地域であったために、都市部を出ると辺り一面砂漠が広がっている地域も多く、実際に人が住める地域というのは、国土の半分ぐらいであろうか。

 著者が最初に訪れた2006年当時から鉄道は現在でイスラエルの各地まで伸びているが、基本都市部以外の移動手段は自動車を使う。自動車があれば、最南端のエイラットを除き、テルアビブからは最大でも2時間程度で到達できるほどの「狭い」国である。

 この狭さで、グローバル企業の研究・開発拠点、オープンイノベーション拠点も年々増え現在は、300をゆうに超える。また、スタートアップ大国と言われ、年間、800~1000社程度、企業買収も年間100社程度に越える。

 親戚や友人や知り合いの中には、必ず1人は、グローバル企業に企業を買われたことがある起業家がいるのが普通である。身近に成功したお手本がいる「狭さ」である。この点は、「あいつができたら、俺でもできそう」という起業家マインドの情勢に一役買っている。

 次は、いわゆる「ネットワークの狭さ」である。イスラエルでは、「2人辿れば、大統領にアクセスできる」と言われるほど、この国の人間関係は狭い。「どの町の誰とか」「どの部隊の出身か」分かれば、どういう人かは何となくわかってしまう。余り悪いことはしない方が賢明そうである。

 そして、この「狭さ」は、とにかく、いい事、悪い事、の情報の伝播速度がとにかく速くなる。例えば、イスラエルで気をつけないといけないことは、ミーティングで話すときの一貫性である。同じ業種でアポをいくつか取っていく際などは、特に内容は気を付けた方がいい。「何の目的できたのか」「どういう点を話したのか」が重要なのだ。

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狭い社会ゆえの情報伝達の早さは時にミラクルを起こす!?

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