リオ五輪、建設費水増しによる賄賂バラマキが続々明らかに

 オデブレヒト社の元役員らの供述に基づいて、最高裁の指示で凡そ<100人の政治家を対象に検察は捜査>を実施しているという。  この捜査で既に判明していることは、リオデジャネイロの前市長エドゥアルド・パエスが2016年のオリンピックに絡み、<1600万レアル(5億2800万円)の賄賂を受け取った>疑いがもたれていることだ。(参照:「Ultima Hola」)  リオ五輪の競技場の建設や改装、インフラ整備などを含めて<390億レアル(1兆2900億円)の費用が掛かった>と、前市長エドゥアルド・パエスが公言しているが、<その43%は民間部門からの融資>によるものだという。公的機関ではなく、民間部門からの融資で賄賂は尚更容易になる。

ルラ元大統領の名前も浮上

 現在収監しているCEOのマルセロ・オデブレヒトの父親で、オデブレヒト社の2代目のエミリオ・オデブレヒトは<「現在起きているような合法化されない賄賂は30年前までは当たり前のことだった」>と述べている。(参照:「Noticious」)  また、同氏はルラ元大統領が<オデブレヒト社から2012年6月から2014年3月まで少なくとも500万ドル(5億5000万円)を受け取っているはずだ>と述べている。この期間は彼の息子のマルセロ・オデブレヒトがCEOであったから、彼自身が正確なその金額は言えないようであるが、息子の経営を後押ししていた関係からその全貌は熟知しているようである。  リオ五輪の組織運営は最悪だったという評価が下されているが、それがオリンピックメダルにまで粗悪さが顕著になっている。5月までの段階で選手に授与したメダルの<6-7%の凡そ140個が錆びで表面が腐食している>というのである。特に、銀メダルが錆びによる腐食が目立つという。補修に3-4週間を要しているそうだ。(参照:「Huffington Post」)  当初の見積もりよりも大幅に建設費が上回ってくる……。日本もまったく他人事だとは思えない話である。 <文/白石和幸 photo by melissapiper0/Pixabay(CC0 PublicDomain)> しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
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