痴漢冤罪に巻き込まれたらどうなる――シャバに戻れたからといって事件が終わったわけではない!
今年に入って首都圏では痴漢の疑いを掛けられて逃亡を図り、ホームから線路に飛び降りる暴挙に出るケースが続出している。被害者に手首を掴まれた後、具体的にどんな手順で刑事手続きが進むのか。筆者は痴漢の疑いを掛けられ、写真撮影や指紋採取までされたことがある。
第1回は駅員室から警察の取調室に連れて行かれるまで、第2回は指紋採取や留置所内での出来事、第3回目は勾留中から起訴・不起訴処分が下るまでを記した。
今回はそれ以降の展開について説明したい。これは筆者の体験や取材に基づく事実である。本稿では、ただ事実を淡々と説明するにとどまる。法的なアドバイスについては専門家の意見を参考にしていただきたい。
近年、首都圏で発生する痴漢事件は、仮に被疑者が容疑を否認していても身柄を拘束される時間は最長72時間で、それ以上の身柄拘束を強いられる「勾留」は裁判所によって却下される。
とはいえ、これはいわゆる身柄を拘束されて刑事手続きが進む「身柄事件」から、被疑者がシャバにいながら事件捜査の進む「在宅事件」になっただけの話である。在宅事件の場合、被疑者の身柄が拘束されているわけではないので事実上、タイムリミットが存在しない。
検察の検事が被疑者を起訴するか、不起訴にするかという判断は「身柄事件」だと勾留満期までに決定しなければならないのに対して、「在宅事件」はルール上は「公訴時効」になる前に決定すればよいことになっている。
一般に公訴時効というのは痴漢の場合、強制わいせつ罪だと7年間、迷惑防止条例違反だと3年間だ。
「在宅事件」は「身柄事件」に比べて、捜査期間が長くなるため、数週間から1~2か月間隔で警察や検察から連絡があり、指定された時間と場所に出頭して取調べを受ける。
これまで
「身柄事件」と「在宅事件」
『痴漢に間違われたらこうなります!』 痴漢冤罪とどう戦うか!? |
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