女子児童・生徒への「子宮頸がんワクチン」接種。副反応発生率はインフルエンザの10倍以上!?

斉藤円華
子宮頸がんワクチン

(C)Nathan Forget

 20~30歳代で急増する子宮頸がんを予防する目的で、十代前半の女子児童・生徒へ定期接種が行われている「子宮頸がんワクチン」。ところが接種直後から失神、めまい、けいれんといった重い副反応が生じる、という報告が相次いでいる。しかも接種による副反応を訴える人への救済もほとんど進んでいない。

 子宮頸がんワクチンは、国内では2009年に導入。2013年4月から全国の小学6年~高校1年生女子を対象に定期接種化され、328万人が接種を受けたとされる。ところが、接種直後から全身の痛みや失神、歩けなくなる、などといった重い症状が相次いで発生したことから、厚生労働省はわずか2か月後の6月、「接種を積極的には勧めない」とする措置を取った。

重篤な副反応率は「10倍どころか24倍、52倍」との報告も

子宮頸がんワクチン

(CC)Nicola Sapiens De Mitri

 子宮頸がんは「ヒトパピローマウィルス」(HPV)の感染で発症する。その予防ワクチンとして、メルク社製の「ガーダシル」、グラクソ・スミスクライン社製の「サーバリックス」が承認された。重い副反応が出る頻度は厚労省のデータでは「インフルエンザワクチンの約10倍」とされているが、はたともこ前参院議員は2013年3月の国会質疑で同24倍(ガーダシル)、52倍(サーバリックス)ではないかと追及している。

 これに対して矢島鉄也・厚生労働省健康局長は、「(2013年3月11日の厚労省副反応検討会の資料では)副反応報告率はインフルエンザワクチンの約40倍。ですが、報告の対象ですとか因果関係の疑われる重篤な症例に限定されるということもございまして、対象年齢が異なることから、その報告率についてはなかなか一緒に比べるということは難しい」と回答した。つまり、正確な状況はまだ把握できていないのだ。

 子宮頸がんでは毎年2000人以上が亡くなっており、専門家はワクチン接種の有効性を強調している。副反応をめぐる指摘に対しては「ワクチン接種で副反応はつきもの」などの反論がなされることがある。しかし、それならば副反応被害者に対して手厚い支援や補償が行われてしかるべきだが、実際にはほとんど対応できていない。

「無料接種を行った杉並区では、重い副反応被害者への補償を認めました。いくつかの自治体で副反応への支援に向けた動きが起きていますが、国内全体で見ればほとんど手つかずの状態です」と、『全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会』の池田利恵事務局長は話す。

「まず、接種時に副反応のリスクがほとんど伝わっていません。連絡会にも副反応の相談がこれまでに1100件にも達していますが、実際ははるかに多くの被害が生じているのではないでしょうか」(池田氏)

 同ワクチンでなぜこうした重い副反応が出るのかはまだわかっていない。そのため、医師に症状を訴えても取り合ってもらえない場合も多いという。国はいたずらに接種を推進するのではなく、まずは実態解明と副反応被害者の早急な救済に力を注ぐべきではないか。 <取材・文/斉藤円華>

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