ここまでタブレット市場全体を見てきたが、個別の大手ブランドではどうなっているのだろうか?
まずトップシェアのアップルが販売するiPadは、’15年度に前年比7.2%減の359万台の出荷となり、初の国内出荷台数減少となった。’16年度も縮小傾向が続いている。
グーグルが販売するAndroidタブレットは、’15年度に前年比2.5%減の393万台の出荷となったものの、’16年度は僅かながら回復し、アップルとは対照的に402万台へと成長した。Androidタブレットは、iPadに比べて単価の低い端末が多いことも堅調さの要因となっており、今後もトップシェアを維持すると見られる。
iPadの出荷台数シェアは、’12年度にシェア53%を記録していたが、徐々にシェアが低下しており、’16年度のシェアは39.6%となった。ただし、iPadの所有率は依然としてトップであることから今後も一定のシェアをキープすると思われる。
また、Windowsタブレットを含むその他のタブレットは’15年度に143万台が出荷されたが、’16年度は個人向けSurfaceの販売が低迷した影響で121万台にとどまった。’17年度以降はWindows OSを求める法人需要などが好調に推移しているため回復すると期待されている。
半期ごとの推移を見ると、’16年度上期は421万台で前年同期と同数、’16年度下期は445万台と前年同期の474万台から出荷台数が減少した。
Androidタブレットなど堅調に出荷台数が推移しているタブレットは一部あるものの、全体としてタブレット市場は縮小傾向にある。ただし、今後、好調に転ずると見られており、引き続き注視する必要がありそうだ。
<文/HBO取材班>
参照/ICT総研「
2017年度 タブレット端末に関する市場動向調査」