ドル高・円安は株でも金利差でも説明できない

吉田 恒氏

吉田 恒氏

 ドル高・円安が止まらない。120円は時間の問題、まだまだ140円まで続くかもしれない、そんな見方も出てきたという。そういったなかでこんな話をしたら、逆に驚かれるのかもしれない。「そもそも、なぜドル高・円安になっているの?」。 ◆ドル高・円安予想は拡大の一途だが  最近のドル高・円安は、実は株高で説明できる範囲も大きく超える展開になってきた<資料1参照>。 ※<資料1>はコチラ⇒https://hbol.jp/?attachment_id=14241
ドル高・円安

<資料1>

 日米金利差(2年債利回り差)では、11月からの110円を大きく超えるドル高・円安は説明できない<資料2参照>。そもそも日米金利差では、2012年11月頃から過去2年続いてきたアベノミクス相場とされるドル高・円安が説明できないものだった。 ※<資料2>はコチラ⇒https://hbol.jp/?attachment_id=14242
ドル高・円安

<資料2>

 そういった過去2年間のドル高・円安を、最近まで比較的説明可能だったのが株高だった。そんな株高からも、ドル高・円安の乖離が拡大してきた点は注目される。  さて、そこでもう一度確認してみよう。株高でも金利差でも説明できないのに、なぜドル高・円安が続いているのか?ほかにドル高・円安が続いている理由を説明できるものがあるのか。  株高や金利差がドル高・円安を説明できるように追随しないようならば、ドル高・円安自体が修正に向かう可能性があるのではないか。(了) ◆11、12月の会場及びWEBセミナーのご案内 11月29日=「為替の学校」M2JFXアカデミア・大阪1Day 12月3日=100万ドルナイト為替セミナー 12月15日=月例WEBセミナー「マーケット先読みLive!」 http://www.m2j.co.jp/seminar/ 【吉田 恒氏】 1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。 2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。 著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など ●ツイッター http://mobile.twitter.com/yoshida_hisashi ●毎週動画 http://www.m2j.co.jp/fx_channel/ ●FXの学校「アカデミア」https://www.m2j.co.jp/mp/my_fxacademia/
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会