個人投資家が狙っている年利10%超のソーシャルレンディングとは?
2017.05.22
FinTechブームを受けて今、ソーシャルレンディングが急成長を遂げている。発展途上国の資金ニーズに応える高利回り商品など、注目の商品を一挙公開!
“貯金感覚”で10%の利回りをゲットできる金融商品があると言ったらどう思うだろうか? その正体は「ソーシャルレンディング(SL)」。すでにご存じの人も多いだろう。お金を借りたい人と貸したい人とを結びつけるサービスだ。国内では「maneo」が先行して’08年からサービスを開始。当初はネット上の個人間金融のプラットフォームとして注目を浴びたが、近年の「FinTech」ブームに乗って参入企業が急増した結果、サービスが多様化。SL事業者が小口投資家の資金を束ね、資金需要者に貸し付けて利息収入から分配金を出すタイプのファンド型商品へと進化しているのだ。SL専門の比較サイトを運営するクラウドポートの藤田雄一郎社長が話す。
「SLの取扱高は昨年、1.7倍に拡大。このままいけば、今年は1000億円の大台を突破するでしょう。急速に市場を拡大するSLのなかで昨今、主流になっているのは事業者向けにお金を貸すファンド。貸付先は中小企業や海外の企業までさまざまです。このマイナス金利下では利息収入などたかが知れていると思うかもしれませんが、当社がカバーしている18のSL事業者の全ファンドの平均利回りは8.15%になります」
その高利回りは魅力的。だが、ここで一抹の不安が……。高い利回りを実現するには、SL事業者の利益分の金利を上乗せした利率で貸し付けなければならないからだ。仮に貸付金利を10%とすれば、銀行からはるかに低利で借りられそうだが……?
「銀行は基本的に実績や担保がないと融資してくれません。さらに、短期・少額の融資は敬遠する傾向にあります。SLはそうした銀行がカバーしきれない資金需要をターゲットにしているため、高い利率を設定できるのです。例えば、中古マンションを仕入れてリノベーションしたうえで売却するビジネスを展開している企業に対して、銀行はなかなか物件購入資金を融資してくれません。中古だと上物の資産価値をほぼゼロと見積もるからです。しかし、実際にはそうしたビジネスで20%以上の売却益を出している企業もある。一方で、海外に目を向ければ、20%を超える利率でもお金を貸してほしいという事業者がいくつもある。高成長が続く発展途上国では、その利率を上回るリターンを生み出すビジネスがまだまだある」(藤田氏)
利率の高さに比例して貸し倒れのリスクも高まりそうなものだが、「当社がカバーしているSL事業者の貸倒率は0%」(同)。このように利回りと比較して低リスクであるため、SLに運用資産のすべてをつぎ込む猛者まで現れているのだ。その代表格が、SL業界の著名投資家・ファイアフェレット氏。
「株、FXなどで400万円ほど損して自分の投資センスのなさに気づかされたときに、SLに出合ったんです。以来、コツコツと資金を移していって、今では約2000万円をSLで運用しています」
同氏が“SL投資”を開始したのは’11年のこと。’14年には含み損を抱えていた投信を解約して、すべての運用資産をSLに集中。以来、年平均7%以上のリターンを確保しているという。昨年のリターンは実に154万円!
“貸し付け”で年150万円稼ぐ個人投資家も!
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