新しい生活を迎え、転居や異動、そして忙しさのため従来の友人達との関係が疎遠になることがあります。中にはストイックに新生活に集中するため、旧友人達との交流(飲み会等)を自主的に断つ方もいます。これが1つ目、過去の友人たちからの隔離です。
しかし、ときにこのことが、裏目に出ることがあります。新生活に集中することはいいことですが、新生活ではまだ腹を割って本音で話をできる友人ができていないこともよくあります。そのような人は、新生活における同僚や知人達との会話は、たわいもないことでもときに緊張感がまだ残っていたり、また、なかなか本音でできないことや、ときによっては腹の探り合いのような場合もあります。
不安や悩みやストレスがあるとき、人は、医師やカウンセラーではなく、友人や家族に話すことでも、9割の人が「ラクになった」と思えます。仕事帰りに友人と軽くお茶をする、1日の終わりにちょっとでも人と話す、そんなことで、人は不安やストレスや悩みを溜め込まずに、軽いうちに解消できるのです。
しかし、新生活の始まりと共にこのような付き合いから疎遠になってしまうと、ちょっとした不安やストレスや悩みが気軽に解消できずに、溜まってしまうことがあります。この手のものはたまるほど解消解決しづらくなり、知らず知らずのうちに5月病の原因となってしまうのです。
5月病の原因となるもう1つの原因は、自分及び相手に対する“高すぎる”期待です。
新年度の始まりに、多くの人は気持ち新たに自分に期待をかけます。新しく外国語をはじめてみたり、新しい職場でも前の職場と同じような結果をすぐにだすべきと自分にハッパをかけます。計画通りに上手くいけばいいのですが、上手くいかない場合もあります。そのようなときに、頑張り続けることを上手に諦められる人はいいのですが、自分は頑張りが足りないからもっと頑張らなければいけないと考えてしまうと、その自分への高すぎる期待が、自分をもっと追い詰めてしまうこともあります。