世の中には食に関するいろいろな情報がありますが、いずれも玉石混合です。たとえ正しい情報でも、それが今のあなたに合っているとは限りません。
肉体的にも、精神的にもエネルギーを必要とする新社会人こそ、脳のエネルギー源となる糖質の定期的な摂取は大切です。今この時期に、糖質制限するのは得策とは思えません。1日1食を推奨する食事法もありますが、それは年齢とともに基礎代謝が落ちてきた(すなわち消費カロリーが減ってきた)世代の人たちのアンチエイジング的な食生活です。
海外の行動心理学的研究でも「人は1つのことを我慢すると、他のことに対する集中力や根気が減ってしまう」というものがあります。暴飲暴食を推薦するわけではありませんが、疲れた時の甘いおやつ、頑張った自分への週末のご馳走など、この時期は自分に厳しくしすぎないほうが、仕事を頑張り続けやすいこともあります。
産業医としての経験上、人は4~5時間も眠れないことが、2週間連続すると高い確率で睡眠不足からメンタルヘルス不調になると思います。最低でも4~5時間の睡眠確保はメンタルヘルス不調予防の点からも必要なのです。
たまに忙しいビジネスマンに、「ベッドにいる時間は4時間ですが、いつもすぐ寝て、アラームがなるまで爆睡です。これで大丈夫ですか?」と聞かれることがあります。
実はこのような人こそ注意が必要です。このような人たちは、ちょっとしたことで寝つきが悪くなり、夜中に目が覚めたりするようになると、容易に4時間未満の睡眠になってしまい、結果、メンタルヘルス不調になるリスクが高くなってしまうのです。
毎日、最低でも6時間ほど布団やベッドにいる時間を持つことで、最低限、4時間の睡眠は維持でき、睡眠不足からくるメンタルヘルス不調を効率に予防できます。もし忙しくて、どうしても毎日6時間の睡眠時間を確保できない場合は、週末と平日に1回でいいので、そのような日を確保するようにしましょう。