町おこしだけではない!ローカルプロレス団体が行っているアツい社会貢献活動一覧

クーポン券の雨を降らす!

今池限定クーポンを振り撒くマグナムドル

 経済面で地域に貢献する団体もある。  愛知県名古屋市の今池商店街主催の団体・今池プロレスだ。チャンピオンの「マグナム今池」が試合に勝利すると、天から紙幣「マグナムドル」が降り注ぐのが定番となっている。  紙幣の形をしているが、実は今池商店街の提携各店で使えるクーポン券だ。観戦帰りに感想を肴に飲むのはスポーツファンの至福の時間だが、観戦も飲食も同じ商店街内でワンストップで楽しめるようにするアイデアだ。

障害者雇用に乗り出す団体も

 支援されるだけでなく、逆に支援する側に回った団体もある。神奈川県川崎市を拠点とする、プロレスリングHEAT-UPだ。  代表でエース選手の田村和宏は姉が障害をもっていることから、障害者の労働環境や賃金についての厳しい現状を知っている。そこで寄付だけでなく、就労体験を実施した。チラシ配布やイスの雑巾がけなどに障害者を雇用し、健常者と同額の賃金を支払っている。

川崎のために闘う熱い男、田村和宏

 ある大会の給与は5,000円(4時間)。一般企業で就労することが困難な者を対象にした、就労継続支援B型事業所の平成27年度平均工賃が”月額”15,033円(※厚生労働省調べ)だと言えば、この取組みがいかに大きいかが分かるだろう。

大会では「プロレスマルシェ」も

川崎市の大会で出店する「プロレスマルシェ」

 また、HEAT-UPは川崎市での大会では「プロレスマルシェ」としてロビーに商業スペースを設置することがある。障害者施設で作られた小物や、川崎の農産物の販売店、ストレッチ店のショートプログラム体験コーナーなどの、いわばミニ川崎物産展だ。  地道な努力が実を結び、昨年「川崎市都市ブランド推進事業」として興行が選定を受けた。場所はとどろきアリーナ。団体史上最大規模の大会だ。さらに多数の障害者を雇用し、ロビーに物販スペースを広く設置した。  藤波辰爾や藤原喜明、ジャガー横田などゴールデンタイムを飾った名選手を数多く招聘し、平日の月曜日開催ながら大会は成功。プロレスファンには川崎市を、川崎市の人々にはプロレスを知ってもらい、経済的な利益も発生する。ローカルプロレス団体の理想形のひとつだろう。  HEAT-UPは川崎での定期興行を続けつつ、今年の8月12日にはプロレスの「聖地」後楽園ホールに初進出とその勢いは増すばかりだ。

ほんの少しの協力を

 ここまで各ローカルプロレス団体の社会貢献活動を紹介してきたが、どの団体も決して経済的・人員的に余裕があるわけではない。しかし、そんな中でも選手・スタッフは合間をぬって施設・企業に足を運び慰問活動や支援活動に励んでいる。  筆者は小学校教員時代、児童養護施設で暮らす子どもたちが「生」の文化・娯楽にふれる機会が極めて限られることを、また障害者職業能力開発校での勤務時は障害者雇用の厳しさを目にしている。  だからこそ、実際に体を張って試合を見せる「文化的支援」や、雇用創出などに取り組む選手・団体には頭が下がるばかりだ。  もしも、近くのローカルプロレス団体が社会貢献活動をしているのを見かけたら、どんな形でもいいので協力・支援してほしい。金銭的な支援でなくとも、TwitterやFacebookなどのSNSで彼らの活動をひとこと広めるだけでも立派な支援となる。 <文・たこ焼きマシン> 【たこ焼きマシン】 名古屋在住のローカルプロレス探求家。ローカルプロレスファンサイトたこ焼きマシン.comスーパーたこ焼きマシン.comを運営。北海道から沖縄、台湾まで未知のプロレスを求め観戦に遠征する。ご当地プロレスラーガイドブック『ローカルプロレスラー図鑑』をクラウドファンディングで発行。オンラインストア元・小中学校教員、障害者職業能力開発校講師。夢は世界中すべてのご当地プロレスを観戦しての『ワールドローカルプロレスラー図鑑』制作。
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