脱「成果主義」の黒船到来か!? 定期評価「しない」評価制度の実現度

「No Ratings」とは何を指すのか?

「No Ratings」は、制度上は2つのポイントに分けられる。「年次査定の廃止」と、「定期評価の廃止」だ。この2つは必ずしもセットで導入しなければならないものではない。導入の是非を検討する際も、この2つを分けて論じたい。 「年次査定」は昇給や賞与に反映され、相対評価で決められている場合が多い。例えばS~Dの5段階査定であれば、成績上位5%がS評価、10%がA評価……という具合だ。「定期評価」は評価基準にもとづいて、評価者が一定時期に一斉に評価を実施することだ。「定期評価」の結果をもとにして、「年次査定」が決まるという関係だ。  この2つのうち、仕組みのうえで先に立つ「定期評価の廃止」にフォーカスを当ててみよう。

なぜ評価は「定期」で行われるのか

 そもそも、なぜ多くの企業で半期や1年などの「定期」で一斉に評価が行われているのか。それは、評価制度が賃金決定システムに従属しているためである。  日本の企業では賞与支給は年2回、昇給は年1回実施されるのが一般的だ。それらを決めるために評価が存在しているため、毎年同じ時期に全社一斉に評価を実施することになる。  しかし、読者の皆さんは、自身が評価される側として、あるいは評価をする側として、このように感じたことはないだろうか? 「正直なところ1年前の面談でどんな話をしたかなんて覚えていない。どうせならもっとタイムリーに面談を実施しないと意味がないのでは?」「今のビジネススピードに、半年や1年という目標設定スパンは適しているのか?期中の目標修正のたびに評価上の目標も修正しなければならず、手間がかかってしょうがない」
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「定期評価」という足枷
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