タイのバンコク国立博物館の「日本語ガイド」が素晴らしすぎる理由

日本人ガイドを付けると大違い!

細かい部分までよく勉強しており、ガイドがいなかったら知ることもできなかったことがわかる。(NMV日本語ガイドグループ提供写真)

 実際にガイド風景を見せていただくと、到底素人には思えないほどの知識量と表現方法であった。エアコンのない部屋も多く、常夏のタイでは2時間はそこそこに厳しい環境であるが、苦痛を感じることなく、興味深く話を聞きことができた。バンコク国立博物館は昔からある古い観光スポットではあるが、改めて見直す価値があると感じた。  特に現在は前国王の10月以降の葬儀に向けて、実際に前国王の棺が乗る山車などが修復作業中で、それも間近に見られる。タイの歴史が変わる場面に立ち会える魅力もある。
バンコク国立博物館

目下修復中の、前国王の葬儀で使用される山車

 そんなバンコク国立博物館の展示品が今年、日本でも見学できるチャンスがある。 「今年は日タイ修好130周年で、様々な行事が日本とタイで行われますが、そのひとつとして九州国立博物館と上野の東京国立博物館で特別展『タイ~仏の国の輝き~』が開催されます日本の博物館とタイの博物館では展示方法、例えばライティングひとつとっても違いますから、同じ展示品でもまったく違って見えると思いますよ」(野村さん)

バンコク国立博物館の代表的展示物のひとつ「ラムカムヘン大王碑文」。2003年にユネスコ世界記憶遺産に登録されている。

 九州博物館では今年4月11日~6月4日まで、東京国立博物館では7月4日~8月27日(参照)。日本とタイで同じものがどう展示されるのか、その違いもおもしろそうだ。 <取材・文・撮影/高田胤臣(Twitter ID:@NaturalNENEAM) 協力/バンコク国立博物館ボランティア・日本語ガイドグループ
(Twitter ID:@NatureNENEAM) たかだたねおみ●タイ在住のライター。最新刊に『亜細亜熱帯怪談』(高田胤臣著・丸山ゴンザレス監修・晶文社)がある。他に『バンコクアソビ』(イースト・プレス)など
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