タイで人気上昇中の新興中級ホテル。日本人には既視感がある理由とは?

地元民には密会にも便利な立地!?

 普通のホテルなのだが、そんなわけでラブホテル的に利用する客も多いようで、ホテル従業員によれば、中高年の男性が若い女性を連れてくることが多いという。車も外車に乗っているなどでかなりの金持ちであることが伺える。宿泊費も牢獄の部屋が1泊1070バーツ(約3510円)。日本なら1万円超の物価感覚になるので、若い一般タイ人男性にはちょっと手が出しにくいのもその理由だ。

ドアが手動のエレベーター。昔風のドアだが、システム自体は現在のもの

 そこそこカネのある中高年の男性は若い女のコを、おそらくどこかのディスコかクラブでひっかけて来ていると見る。タイだけでなく東南アジアでは富裕層のおじさまがディスコに遊びに来るというのは普通の光景だ。超現実的な女のコはちゃんとわきまえていて、金持ちとそうでない人を瞬時に見分けるシビアさを持つ。必ずしも全カップルがそうだとは限らないが、そんな利害関係が一致したふたりもいるに違いない。  普段、富裕層はもっと都心で暮らしている。旧市街のこのホテルに来るのは自宅から離れているため、目撃される心配がない。既婚の場合、女房にばれないというメリットもある。  この「THE HOUSE OF PHRAYA JASAEN」はBTSサパンタクシン駅から徒歩5分程度の場所にあり、スカイトレイン(BTS)で都心に、同駅近辺の船着場からはエメラルド寺院などバンコク観光では外せないスポットに行きやすい。街自体が旧市街だし、タクシーでワンメーターの場所にはナイトバザール「アジアティーク」もある。  ウーさんのインテリアデザインは「JATYA Architects & Interior Design」で見ることができる。 <取材・文・撮影/高田胤臣(Twitter ID:@NaturalNENEAM)取材協力:THE HOUSE OF PHRAYA JASAEN
(Twitter ID:@NatureNENEAM) たかだたねおみ●タイ在住のライター。最新刊に『亜細亜熱帯怪談』(高田胤臣著・丸山ゴンザレス監修・晶文社)がある。他に『バンコクアソビ』(イースト・プレス)など
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