父の死を予測できていた可能性!? 北朝鮮・金正男氏の息子、ハンソル氏の微表情を分析

父親の死をある程度予見していた可能性

 まず、①についてです。常識的に考えれば、肉親が亡くなったら悲しみという感情が生じると考えられます。  公の場であったとしても(本動画の場合も、撮影者や他者の存在を意識した公の場と考えられる)、抑えても抑えきれない悲しみの感情の痕跡が生じるのが普通です。しかし、キム・ハンソル氏の表情からは悲しみの表情を視認することが出来ません。  その理由を推察すると、一つは、いくつかの報道にあるように、動画公開の時点ではハンソル氏がまだ父親の遺体に対面できていないため、父の死に対する実感がないのではないかと考えられます。  もう一つの理由としては、父親の死が起こり得るという予感をハンソル氏が抱いていたため、父親が亡くなったという連絡を受けても、それをすぐに受け入れることが出来たのではないかと考えられます。  父親が亡くなっても全く悲しくないという可能性もゼロではないですが、ハンソル氏と正男氏は仲が良いとの事前情報が知られていることから、この理由を除外することが出来ます。  また、心が張り裂けるほど悲しいにも関わらず、それを表情もしくは微表情にさえ見せないで振舞うことが出来る人間である可能性もゼロではないです。しかし、こうした表情コントロールが出来る人間は稀です。したがってこの可能性も低いと考えることが出来ます。

彼の身を案じる人々への気遣い、大局的な人物像

 続いて、②についてです。本動画の最後の方で、ハンソル氏は、状況が良くなることを望む旨の発言をしながら、口角を引き上げ、笑顔を見せます。  この笑顔がみられる一瞬前、下唇が引きあがりアゴにしわが形成されています。このアゴのしわは、普通の笑顔には表れることのないものです。これは、口角を意識的に引き上げようとした結果、起きたものだと考えられます。つまり、この笑顔は努力の結果、生み出された表情だと考えることが出来ます。  なぜ意識的な笑顔が作り出されたのでしょうか?  繰り返しになりますが、肉親が亡くなった場合、悲しみ感情を抱くことは普通ですし、その表情をストレートに顔に出すことに何の問題もありません。  ここでハンソル氏が本メッセージを発信した理由を考えてみます。  本動画は、ハンソル氏を気にかけている人々に向けて発信されたメッセージです。ハンソル氏はおそらく「私を気にかけてくれている人々は、私の身と心の状態を案じ、私を心配しているだろう」と考えながらメッセージを発信していたと思われます。  このことを考慮すると、ハンソル氏の意識的な笑顔は、自分を心配してくれている人を安心させるための利他的な笑顔だと考えられます。  肉親を失った自分の苦境は自己解決できる、今回の件で、苦境に立たされている人々や祖国の改善を願う、そんな大局的な視点を持つ人物像が推察されます。
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