しかしここまで情報を秘匿して行われたにもかかわらず、説明会で語られた内容は、「空虚」としか言いようのない代物だ。今回、参加者が録音した説明会の音声データを入手して聴いてみたが、司会者(籠池理事長の娘・町浪さん)が語る内容は、基本的に入学案内パンフレットに書いてある内容と同じ。
しかもその内容も、「一人一人のお子様がスポットが当たらないということはまずありません。私たち教職員陣も得意分野があります。その得意分野で子供達を引っ張っていきますし教職員同士も切磋琢磨しながら伸ばしあっていくこういった状態を作っています」と、スローガンのような言葉が羅列されるだけで、何の内容もない。説明会の様子は全編録音で確認したが、「本当に教育するつもりがあるのか?」と首を傾げてしまう代物だ。
さらに不可思議なことに、この説明会で森友学園は、メモを取った参加者や質問した参加者をつまみ出しさえしている。マスコミが鵜の目鷹の目でこの説明会の内容を知りたがっている状況だから、「メモを取られたら困る」と主張するのは、百歩譲って理解したとしても、どうしても理解できないのは、「メモの内容を確認するため、メモ帳を没収し、別室にて内容を確認してから、所有者に返却してつまみ出す」と言う森友学園側の対応だ。これは度を越しているだろう。質問した参加者には「後日、問い合わせフォームで質問してくれ」と回答しているのも理解しがたい。これでは説明会ではなく、「パンフレットの朗読会」でしかない。