恒星「トラピスト1」をまわる7つの地球型惑星が見つかった
トラピスト1の7つの惑星からなる惑星系を描いた想像図 Image Credit: NASA/JPL
今回の発表の趣旨は、NASAやヨーロッパ南天天文台、大学などの共同研究チームが、宇宙に浮かぶNASAの「スピッツァー宇宙望遠鏡」と、南米チリにあるヨーロッパ南天天文台の望遠鏡による観測の結果、太陽系から約39光年離れたところにある「トラピスト1」と呼ばれる恒星を回る、7つの惑星が見つかった、というものである。
この7つの惑星はすべて地球に近い大きさ、質量をもった「地球型惑星」であり、水が存在する可能性もあるとされる。
実はトラピスト1に惑星が発見されたのは、今回が初めてではない。2016年5月にはすでに3つの惑星が見つかっており、その後さらに詳細に観測した結果、今回の7つの惑星が見つかり、さらにより正確に各惑星の位置や大きさ、質量を特定できた。また太陽系以外で、7つもの惑星をもつ惑星系が見つかったのは過去最多記録でもある。
さらに、この7つのうち、トラピスト1に近いほうから数えて4番目から6番目までの3つは、恒星との距離、またその恒星が出すエネルギーなどから、生命が生存するのに適した(とくに水が液体として存在できる)環境になると考えられている領域のことである。この領域のことを「ハビタブル・ゾーン」と呼び、たとえば太陽系では、地球が公転している領域がハビタブル・ゾーンにあたる。
地球に似た惑星が見つかったこと、そしてその惑星がハビタブル・ゾーンの中にあることなどから、「地球外生命がいるのでは」と盛り上がることにもなったが、実際には今回の発表は、それを裏付けるものではない。