立憲主義を愚弄する稲田朋美防衛大臣は、即刻、辞任すべきである!

言葉だけでのごまかし

 こうした国会での発言を批判的に検証するとき、必ずと言っていいほど寄せられるのが「マスコミは政治家の発言を切り貼りして批判する」という意見だが、今回ばかりはその言い訳は通用しない。  神奈川新聞が公開した当該答弁の全文書き起こし(稲田防衛相「憲法9条上問題になるから『戦闘行為』ではない」南スーダン「日報」破棄問題)を見てみれば明らかのように、稲田朋美は、明確に、「『戦闘行為』ではない、ということになぜ意味があるかと言えば、憲法9条上の問題に関わるかどうか、ということです。」と言い切っている。  さらに問題なのは、この質疑応答の一連の流れで、稲田が「国際的な武力紛争の一環」「国及び国に準ずる組織同士の武力衝突」を「戦闘行為かどうかの基準」であるという、従来の政府見解を踏襲しているにもかかわらず、「憲法9条上の問題に関わるかどうか」なるポイントをことさらに強調してしまっている点だ。  一見、稲田の答弁と、従来の政府見解に齟齬はないように見える。が、従来の政府見解は、「国際的な武力紛争の一環でないのだから、当然、憲法9条の対象ではない」と言うものであって、決して(実運用はどうであれ)「憲法9条に抵触しないように、事態を表現する」ではない。つまり、従来の政府見解は「憲法を遵守することは政府の行為として当然であって、当然のことながら憲法9条に違反するようなことはしていない」と言う大前提に立つものであった。実態や実運用がどうであれ、立憲主義の元、国策を遂行する行政としては当然の認識だろう。だが、稲田の答弁は違う。稲田のレトリックは、どこをどう読んでも「実態はどうであれ、憲法に違反していないと言い張るために、言葉を選んだ」でしかない。  確かに、政府従来見解も稲田答弁のロジックも「あくまで憲法の範囲内」を取り繕おうとする点で同じではある。が、稲田答弁の奇怪さは、「現実は政府の都合によっていかようにも『憲法の範囲内である』と規定できてしまう」と開き直っている点だ。これでは立憲主義を根本から否定しているに等しい。
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ごまかしを弄する人間が望む新憲法
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日本会議の研究

「右傾化」の淵源はどこなのか?「日本会議」とは何なのか?

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