しかし、パチンコホール側では「ホールに設置している遊技機にどのような楽曲が使用されているか判然としない。また遊技機の入替が頻繁に行われている」との理由で、個々のホールでの利用実態の把握は困難であるとして、その交渉を遊技機メーカー等に一任していた。そのような経過があり、遊技機メーカーとJASRACの合意がなされた。合意の結果は前述の通りである。
今までは、国内の著作権管理ビジネスをほぼ独占していたJASRACであったが、記憶に新しいところでは、2015年10月にエイベックス・グループ・ホールディングスがJASRACを離脱し、保有する約10万曲の著作権管理を系列会社に移す手続きを開始した。これにより音楽著作権ビジネスにおいて競争が生まれ、市場が活性化すると言われた。逆に今まで市場を独占してきたJASRACにとっては大きなピンチでもある。
今回のパチンコ業界とJASRACの合意が、このような流れを汲んでのことかは不明ではあるが、今回の一件でJASRAC側には大きな利益がもたらされることは間違いない。