Photo by Michael Vadon
アメリカのトランプ次期大統領が、大統領就任直前の1月12日、ニューヨークのトランプタワーで記者会見を開いた。会見が始まると自由奔放なトランプ氏の発言に、世界中の株式市場は警戒感から売り圧力が強まり、株安にドル安・円高が進行。その後もその流れは止まらず、日本株も大幅下落、ドル/円相場は一時1ドル=113円台まで円高が進んだ。
しかも、不安材料はこれだけではない。“ジブリの法則”まで発動する恐れがあるのだ。しかも、“13日の金曜日”に……。
“ジブリの法則”とは何か? これは、株式市場でまことしやかに噂されている都市伝説で、「日本テレビ系列の金曜ロードショーでジブリ映画が放送された後は相場が荒れ、株価と為替が急落しやすい」というものだ。2017年1月、金曜ロードショーでは3週連続でジブリ映画が放送される。
1月13日『風の谷のナウシカ』
1月20日『千と千尋の神隠し』
1月27日『耳をすませば』
『千と千尋の神隠し』で登場する湯屋のモデルと言われている台湾の九フン
ちなみにこの“ジブリの法則”が囁かれるようになったのは2010年ころから。2010年~2011年のジブリ・宮崎映画と週明けの日経平均を見ると、次のようになっている。
【2010年】
2月5日 崖の上のポニョ ▼105円
7月9日 耳をすませば ▼37円
7月16日 ハウルの動く城 ▼107円
10月8日 ルパン三世カリオストロの城 ▼200円
10月22日 猫の恩返し ▼25円
【2011年】
1月7日 千と千尋の神隠し ▼30円
7月8日 魔女の宅急便 ▼68
7月15日 海がきこえる・ゲド戦記 ▼84円
12月16日 借りぐらしのアリエッティ ▼105円
その後も何度となく“ジブリの法則”は発動している。
2016年も
1月15日 天空の城ラピュタ ▼191円
8月12日 コクリコ坂から ▼50円
など、“ジブリの呪い”は現実に起こった。なぜ“ジブリの法則”が起きるのか? マーケット関係者は次のようにカラクリを話す。
「ジブリ作品の放送は金曜ロードショーが多く、放映中は欧州で、放映後は米国で株取引が続いています。しかも、毎月第1金曜日は米雇用統計の発表日のため為替は乱高下しやすい。これらが反映されるのが、週明け月曜日になるためです。米雇用統計で相場が荒れやすいことと関係していると考えられます」(マーケット関係者)
“ジブリの法則”は都市伝説の域を出ないものの、今回のような過激なトランプ会見の直後にジブリ映画の放送が控えているようでは、投資家の間で警戒感が高まるのも無理はない。奇しくも1月20日、トランプ氏が米大統領に就任する日もジブリ映画の放送が予定されている。金曜ロードショーのジブリ映画だけでなく、株式・為替市場もしっかり見たい。<取材・文/HBO取材班>