Webの世界でデザインが重要視されだしたのは意外にもごく最近の出来事です。
Windowsのパソコンが普及し始めたのは90年代で、そのころにはソフトウェアを開発できる企業はほとんどありませんでした。そして使う人もパソコンの操作に直接関わっている人が多いという理由から、どちらかというとデザインよりもどれだけ高度なことができるかが重要視されていました。
その後、2007年にiPhoneの登場に始まり、ソフトウェア市場が拡大し、多くの企業がスマホアプリを開発するようになりました。コンピュータが普及し始めたころとの決定的な違いは、パソコンを使ったことがない人でもインターネットに触れるようになったことでしょう。
その結果、ライトユーザーにも扱いやすい直観的に操作できる優れたUI/UXデザインのアプリケーションの需要がシフトして行き、機能性に優れたニッチなヘビーユーザー向けのアプリケーションとのすみわけが進みました。
こうして今では、ライト層も利用するアプリにおいて、デザインは大変重要な要素となっています。
アプリを開発することにとって機能とデザインはひとつのセットです。
最近では、AI(人工知能)やbot(ボット)が登場し、何ができるのか、どんな最新テクノロジーなのかといったところに注目されがちですが、当然一般公開される時には誰でも簡単に使えるようなアプリにしなければなりません。誰でも使えるようなアプリにするためには、「説明しなくても使い方が分かる」「使っていて心地いいな、と思ってもらえる」デザイン性が必要不可欠になります。
言い換えれば、どれだけ最新の機能が組み込まれていてもその使い方が分からなければ、二度と使ってもらえないかもしれません。もちろん最初から100%完璧なデザインになることはなく、ユーザーからのフィードバックを参考にしながら改善していくものですが、改めてデザインの重要性を知っておきましょう。
デザインはアートと同じだと認識されることも多々あるでしょう。しかしこの2つは決定的に違うものです。
アートは感覚を頼りに自己表現をするものですが、デザインは問題解決をするためにあります。つまり「なぜこの色なのか」「なぜこの配置なのか」といった質問に対しての答えがなければデザインとは呼べません。
ロジックを組み立てることがとても重要です。
生まれ持った先天的なセンスではなく、とても理論的な要素であることを知っておく事がデザインを理解する第一歩になるはずです。
<文/
TechAcademyマガジン編集部>