KADOKAWAが、埼玉新拠点に最新鋭デジタル機器を導入した理由

「(仮称)ところざわサクラタウン」完成予定図(所沢市ウェブサイトより)(C)1990-2016BY 隈研吾建築都市設計事務所

 エンタメ大手として、特に『君の名は。』の大ヒットも記憶に新しいKADOKAWAが、埼玉県所沢市に所沢市と共同で、訪日外国人向けのアニメやゲームに関するイベントなどを開く会場、飲食店やホテル、図書館、美術館、博物館などから、最新の製造システムによる機器を導入した書籍の製本・物流拠点などが集積した施設を作るという「COOL JAPAN FOREST 構想」を進めている。(参照:所沢市)  新しいインバウンド需要が見込めるスポットの今後が気になるところだが、それ以上にKADOKAWAが力を注ぐのは「最新の製造システムによる機器を導入した書籍の製本・物流拠点などが集積した施設」である。  KADOKAWAは、“ユーザーの多様なニーズに応え、書籍の迅速な製造・発送までを一体で行う最適な生産プロセス・物流システムの構築”にむけて準備を進めており、そのためにこの新拠点では、書籍を一部単位で高品質かつ低コストにオンデマンド印刷できる最新鋭デジタル印刷機を導入するというのだ。(参照:KADOKAWA)  こうした「製販一体型ブックオンデマンド」は世界的潮流とも言われており、自動倉庫なども活用し、物流設備が自動化されることで、適時適量の製造が実現し、同社の強みであるメディアミックスの源泉となる書籍コンテンツを生み出す基盤を強化することを狙っている。  2016年12月22日付の日経新聞報道によれば、“従来は注文から手元に届くまで10日~2週間近くかかっていたが、新施設の稼働で1、2日で対応できる体制にする。返本率は20%台に削減して利益率を改善する”という。(参照:「日経新聞
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デジタル印刷がコスト減に役立つ理由
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