2000年~2016年までの月ごとの騰落率を調査
ちょうど1年前、2016年1月の株式市場は大量の売りを浴びて、戦後初となる大発会の1月4日から6営業日連続安、1か月以上にもわたって暴落が続いた。しかし、
「過去データを振り返ると、1月の株安は決して珍しいことではない」と話すのは、株式予報代表の中原良太氏。「2016年は11月以降、トランプラリーで円安・株高が続いてきましたが、2017年は上昇の勢いも弱まり、トランプ大統領就任も過ぎ、やや不穏な空気になってきました」と警鐘を鳴らす。
「2000年から2016年までの16年間で調べると、1月の日経平均株価は2.25%下落しています。
1月は1年でもっとも下落しやすい月なのです。ところが、2月以降、日経平均は復調傾向となります。対して、日経平均に逆行する形で新興市場(日経ジャスダック平均と東証マザーズ指数)は、1月は上昇しやすい月です」(中原氏)
なぜ日経平均と新興市場でこのような違いがあるのか?
「例年、年末は大型株が上昇しやすい傾向がありますが、12月の上昇の息切れで1月は弱くなることや、物色の矛先が大型株から新興市場の株に移ることなどが考えられます。しかし、1月の新興市場の物色もそこまで続かず、新興市場も2月は下落に転じるのではないでしょうか」(中原氏)
昨年11月の米大統領選以降、トランプバブルに乗って日経平均は大きく上がってきたが、1月5日の19615円を高値に確かに以前ほどの勢いはなくなっている。ドル/円相場も、118円台から112円台まで円高が進行している(1月24日時点)。1年前と同じような1~2月の暴落には注意したい。
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株初心者は「暴落」というと怖がってしまうかもしれないが、1~2月の下落した局面は、「3月の人気株主優待株を仕込む」など、見方を変えればチャンスでもある。また、投げ売りされた中小型株のなかには、将来の成長を考えれば十分に割安な水準まで売られた銘柄もあるはず。1月の暴落に注意しながら、今からピンチをチャンスに変える準備をしておきたい。<取材・文/HBO取材班 チャート協力/楽天証券>