これもトランプ効果?新興国の金利は上昇へ

「マイナー通貨」にはFXで勝つ必勝法があった!

 11月の米大統領選で、米ドル並にマーケットの注目を集めた通貨をご存じだろうか? トランプ次期大統領が叩きまくったメキシコの「ペソ」だ。  トランプ氏は「メキシコは我々の友人ではない。国境でアリメカ人を殺し、仕事を奪っている」などと暴言を吐いたうえで、「国境に壁を建設する」と表明。それも、「アメリカからメキシコへの送金を没収して、“メキシコのお金”で壁をつくる」と主張してきたのだ。それだけに、ヒラリー優勢が報じられている間はよかったものの、トランプ巻き返しが報じられるとメキシコペソは大暴落することに……。10年以上前から同通貨をトレードしているシンガポール在住のトレーダー・ドル使い氏が振り返る。 「Brexit(イギリスのEU離脱)もありましたし、私は以前からトランプが大統領になる可能性のほうが高いと踏んでいました。実際、マーケットもヒラリー重病説などもあって9月はトランプ大統領の可能性を織り込みながら、ドル/ペソが上昇していきました。ただ、さすがに10月後半になると、『ヒラリーで決まり』という報道がほとんどになったので、ドル/ペソは下落。11月8日の投開票当日にかけて、さらに急落していただけに、トランプ逆転勝利のインパクトは予想以上に大きかった。私は安値でペソ売りポジションを仕込んでいたのですが、あまりにも一瞬でドル/ペソが暴騰したので、すぐに利確の指値が刺さってしまい、500pipsほどしか取れませんでした(笑)」  トランプ勝利確定後、ドル/メキシコペソは1日で18ドル台から21ドルまで約15%も急騰。その上昇率は、101円台から3週間弱で114円まで12%上昇したドル/円を上回る。背景にあるのは、アメリカに依存するメキシコの経済構造だ。
ドル/メキシコペソ

トランプ勝利を受けてドル/メキシコペソは18ドル台半ばから21ドルまで急騰。ドル使い氏は19ドルでペソ売りを仕込んでいたが、19.5にリミットを設定していたために500pipsしか取れなかったとか

「アメリカが風邪をひくと、メキシコもひく。アメリカが最大の輸出相手国で、全体の80%近くを占めているのだから当然です。輸入相手国もほぼ半分をアメリカが占めている。単に国境を接しているだけでなく、経済的な繋がりが深すぎるので、“壁”をつくるというトランプのインパクトは大きかった」(ドル使い氏)
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トランプリスクが過剰に織り込まれた「ペソ」
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