セブンイレブン空白地帯をめぐる[鳥取県vs沖縄県]最後の戦いのゆくえは?

杉山大樹
セブンイレブン

セブンイレブンHPより

 10月30日、コンビニチェーン最大手の「セブンイレブン」が、来夏をめどに、これまで未出店だった青森県に進出することになった。セブンイレブンは10月16日に同じく「空白地帯」だった高知県へ、来春に出店する計画を発表したばかり。

これでセブンイレブンが未出店の都道府県は鳥取と沖縄の二県のみとなった。セブンイレブンといえば、大手コンビニチェーンが消費増税の影響などで軒並み前年実績を下回る中で、唯一売上高を伸ばして「一人勝ち」の様相を呈している。空白地帯を埋める相次ぐ出店計画は、やはりこうした好業績が背景にあるのだろうか。経済評論家の平野和之氏は次のように語る。

「業績好調を追い風にというよりも、機が熟したということでしょう。出店するだけならいつでもできる。コンビニチェーンのほとんどはフランチャイズ店なので、多少利益率が低くても負担はオーナーが被るから、正直言って本部は痛くも痒くもないんです。ただ、セブンイレブンの場合は、他チェーンと比較すると自社の物流網の整備、厳格なコスト管理などに特徴があり、エリアごとにそうした綿密な計画を立てて万全の態勢をとってから、一気に展開するという出店戦略をとってきた」

 確かにこれまで空白地だった4県は、普通に考えれば、「まあそうだろうね」という地域ばかり。出店が決まった高知にしても四国最大の面積ながら人口は47都道府県中、下から3番目。青森は本州の最北端という悪条件があった。鳥取県の人口は約57万人と全国最少で埼玉県川口市と同程度。その面積を考えれば配送コストで利益率はグンと下がる。沖縄県は言わずもがな本土から遠く海を隔てた場所にある。

 一方で、平野氏によれば車社会の地方では 高齢者を中心に“買い物難民”が増加している現実もあり、徒歩一分圏内でほとんどの生活必需品が揃うコンビニ店は、やり方次第でビジネスチャンスはあるのだという。

鳥取県と沖縄県、どちらが有利

 こうなると残された2県のうち、最後まで残るのはどっちかということも話題に上ってきそうだ。鳥取県の場合、「スターバックスが国内で最後まで出店しなかった県」という屈辱を味わっている(来夏オープン予定)だけに期待も大きいようだ。今年3月にセブンイレブンがJR西日本と提携したことで、駅ナカにセブンイレブンができるのではないかと色めき立つ声がネット上などで見られた。

「“駅ナカ”出店はセブンの成長を支える柱の一つ。鳥取、米子、境港など大きな駅は限られるので出店コストに問題はありますが、鳥取県にはそう遠くないうちに出店するケースは十分に考えられます。対する沖縄県は、必然的に空輸コストがかかるので相当に厳しいといえる。ただ、地場の小売りチェーンをそっくり買収してセブンの看板に架け替えるという方法なら、可能性としてはあるかもしれません」(平野氏)

 セブンイレブンはなくても「ローソン」や「ファミリーマート」はあるのだから構わないのではとも思うのだが、他県民との会話で最大手のセブンイレブンがないというだけで“田舎認定”されてしまうこともある。とにもかくにも「セブンイレブン空白地帯」という名が外れることになるのは、地方在住者にとってはひとまず朗報といえるだろう。 <取材・文/杉山大樹>

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