’16年は世界的な“VR元年”!巨大市場を切り拓く?
プレイステーションVRは、端緒にすぎない。ゲームで蓄積した技術が他分野に波及するのはこれからだ 写真/Play Station(R)/SONY
今年は「VR(仮想現実)元年」と言われている―。
10月に発売されたプレイステーションVRは、わずか4日間で4万6000台が“完売”。2月には、フェイスブックが20億ドルで買収したオキュラス社が、VRヘッドセット「リフト」の発売に漕ぎ着け、話題を呼んだ。
デジタルに精通するジャーナリストの西田宗千佳氏は、VRの可能性をこう説明する。
「現在、我われはテレビやPC、スマホなど四角い画面を見て、日々を暮らしているが、この四角い画面が別のものに置き変わるということ。そのインパクトは、インターネットの登場に匹敵する。現状では5年先にどうなっているか誰にも予想がつかないが、ブレイクする可能性が極めて高いので、VRへの投資が加速しているのです」
市場調査会社トレンドフォースによれば、VRの’16年の市場規模は67億ドルで、’20年までに10倍超の700億ドル(約7兆8000億円)に達するという。今後、VRが新たな市場を切り拓くことが予想されるが、どのような分野に波及していくのか。
「もっとも大きな変化は、コミュニケーション分野。ビジネスではテレビ会議が普及し、個人の生活でもスカイプやチャットが広く使われているが、これにVRが取って代わる可能性が高い。フェイスブックがオキュラスを買収したのも、VRが新たなソーシャル・プラットフォームになると考えたからです。コンサートをはじめとしたエンタメ分野もVRとの相性がよく、爆発的に市場が拡大するポテンシャルを秘めている」
VRが新たに開拓する巨大マーケットの裾野は広い。<取材・文/HBO取材班>