朴槿恵大統領の「辞意」表明は、超高度な政治的奇手

安達夕

photo by Republic of Korea via flickr(CC BY-SA 2.0)

 11月29日午後2時30分、青瓦台において韓国・朴槿恵大統領が3回目の国民へ向けた談話を発表した。約4分を超える談話の内容は以下の通り。 (談話内容の抜粋) ・自身の不察により国民に迷惑掛けたことを謝罪 ・政治生活18年間、国家と国民のためにすべての努力をささげた ・一度たりとも自身の私益を求めなかったし、私心を持つこともなかった ・今回のことも国家のために推進したことであったし、個人的な利益は求めなかった ・自身の周辺について管理が出来ていなかった。 ・今回の事件の経緯については、近日中に詳しく話す ・自身の任期短縮を含めた進退の問題を国会の決定に委ねる ・国政の混乱を最小化し、安定的に政権の委譲が出来るならば大統領職を辞する  ポイントは2点ある。  今回の一連の事件の原因は、“自身が「周辺の管理を怠ったこと」で起こったことであり、大統領自身には、国家国益のためという思いこそあれ、私利私欲は無かった”という点。  もう一つは、“自身の進退は、任期短縮を含め、国会に一任する”と言った点だ。  週末ごとに100万人の国民から「下野」を叫ばれ、検察に「共謀者」の烙印まで押された大統領の注目の発言は、自身の容疑を否認し、そしてまだ下野しないということであった。
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「辞意発表」の思惑
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