トランプ政権で上昇期待!? 米中小型株指数「ラッセル2000」に注目すべきこれだけの理由

 トランプ氏は「米国優先」の内向き志向の政策であるので、グローバル企業が多い大型株のS&P500よりも、グローバル展開している企業が少ない米国中小型株の「ラッセル2000」が買われたことは理解しやすく、納得できるだろうと思われる。  トランプ氏が掲げる政策のひとつである法人税減税であるが、税率が15%まで下がると、グローバル展開して常に減税効果を探っている企業よりも、減税の手段をもたない米国内のみの事業を展開している企業が多い米国中小型株の企業の方が、減税効果が大きいことが予想される。したがって、トランプ氏による法人税減税が実現されたならば、法人税減税だけの効果を見ると、「ラッセル2000」はS&P500をアウトパフォームするのではないかと考えられる。

ノーベル賞経済学者の理論も実証する中小型株の優位性

 2013年のノーベル経済学賞を受賞した3人の内のひとり、シカゴ大のユージン・ファーマ教授は、「効率的市場仮説」で知られている。そんな彼が、1993年にケネス・フレンチ教授とともに研究を行い発表した「ファーマ-フレンチの3ファクターモデル」がある。これは、株式の期待収益率を市場ポートフォリオのリスクプレミアム、時価総額リスクファクター、PBRリスクファクターの3要因で記述するというモデルで、時価総額が小さい株式ほど収益率が高くなる小型株効果やPBR(簿価時価比率)が小さい株式ほど収益率が高くなるバリュー株効果などのアノマリーに対して、時価総額とPBRにアノマリーの要因が集約されることを実証的に示したモデルであり、まさしく中小型株優位のアノマリーを説明していると言える。
次のページ
東証でも買えるラッセル2000連動型ETF
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会