酒の席でケンカが起きやすいのは、単に酔っているからだけではなかった

酒を飲むと、「怒り」と「嫌悪」を区別できなくなる

 怒りは攻撃行動につながる危険な表情です。目の前の相手が怒り表情をしていれば、私たちは咄嗟に防御・逃走・闘争態勢を取ります。嫌悪は、不快なモノを体内に入れたくないという消極的な感情を意味するため、目の前の相手の嫌悪表情を見ても、私たちの身体は積極的な行動を取ろうとはしません。  お酒を飲むと私たちの表情認識率が低下します。そうすると、一見似ている怒り表情と嫌悪表情とを取り違えて認識してしまう可能性があります。つまり目の前の相手が、本当は嫌がっているだけなのに(=嫌悪表情)、攻撃する意思がある(=怒り表情)と誤解してしまう恐れがあるのです。  お酒の席でケンカが起きやすいのは気分が大きくなっているという理由もあると思いますが、こうした表情の読み間違いから来ている可能性もあるのです。折角の楽しいアルコールの席。あらぬ誤解で財布の中身も人間関係も台無しにしたくないですよね。お酒の及ぼす影響を頭の片隅に入れて頂き、楽しく飲んで頂ければと思います。  さぁ、私はこれから飲み会に行ってきます。 ※本画像の権利は、株式会社空気を読むを科学する研究所に帰属します。無断転載を禁じます。 <文・清水建二> 1982年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、東京大学大学院でメディア論やコミュニケーション論を学ぶ。学際情報学修士。日本国内にいる数少ない認定FACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)コーダーの一人。微表情読解に関する各種資格も保持している。20歳のときに巻き込まれた狂言誘拐事件をきっかけにウソや人の心の中に関心を持つ。現在、公官庁や企業で研修やコンサルタント活動を精力的に行っている。また、ニュースやバラエティー番組で政治家や芸能人の心理分析をしたり、刑事ドラマ(「科捜研の女シーズン16」)の監修をしたりと、メディア出演の実績も多数ある。著書に『「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く』(フォレスト出版)、『0.2秒のホンネ 微表情を見抜く技術』(飛鳥新社)がある。
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微表情を見抜く技術

無意識の感情の表われ「微表情」を読み取ることで、誰でもコミュニケーションの達人になれる!

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