仕事がつまらないので転職したい――【石原壮一郎の名言に訊け】

Q:こういう言い方をすると怒られそうですけど、あまり深く考えないで適当に面接を受けて、たまたま採用してくれた会社に就職しました。ところが、入社して半年、仕事のつまらなさが予想をはるかに超えています。当然、やる気なんて出ません。べつに仕事に多くを求めているわけではないのですが、転職してもう少しマシな仕事を探してみようかと思い始めています。(千葉県・23歳男・事務職)
サラリーマン

※写真はイメージです

A:どことなく微妙にムカつく相談ですね。ちょうど隣りに、とある町の二丁目でゲイバーをやっている友達のウメコさんがいるので、彼(彼女?)に答えてもらいましょう。 「はい、ウメコよ~。あんた、何が目当てで相談してんのよ。すんなり就職できたことを自慢したいの? それとも、その冷めたスタンスをカッコイイと思ってほしいの? おあいにくさま。この相談を読んだ人の98%は「うわっ、こんなヤツといっしょに仕事するのは嫌だな」と感じてるわよ。断言するわ。たとえ転職しても、あなたは数ヵ月後には、また同じことを言っているでしょうね。  今ちょうど『壁を乗り越える安藤忠雄の言葉』(佃俊男・著、イースト・プレス)って本を読んでるんだけど、建築家の安藤忠雄さんは、こんなことを言っているわ。 『仕事の中に幸福感があるとすれば、それは無我夢中になることでしか生まれてはこない。必死に取り組まなければ、仕事の喜びなど分かるはずはない』  騙されたと思って、一度は本気出してみなさいよ。まだたいした仕事は与えられてないかもしれないけど、ホッチキスをきれいに止めることすら、あんたきっとできてないでしょ。やる気のない半人前が、仕事がつまらないのなんのって、ちゃんちゃらおかしいわ。  そりゃ、今いる会社や職場が、けっして恵まれた環境じゃないかもしれない。だけど、安藤さんはこうも言っているの。 『環境とは、与え、与えられるものではない、育ち、育てるものである』  飲み屋で酔っ払って「こんな会社じゃ……」とか「今の部署だと……」なんて現状に文句言ってるサラリーマンで、仕事ができそうなヤツってみたことある? ないでしょ。私もないわ。気に入らなきゃ、気に入るように変えてみなさいよ。そんな度胸があればの話だけど、一生懸命本気でやってみて、それでもダメなら転職を考えればいいんじゃないの。  今のあんたが、本気を出して自分の限界を知るのが怖いだけの甘えんぼちゃんで、プライドばっかり高くて役に立たないヤツだってことはお見通しよ。ま、あんたみたいなのが世の中にいっぱいいるおかげで、ウチみたいな飲み屋が成り立つんだけどね。」

【今回の大人メソッド】本気で取り組めば、どんな仕事も面白く感じられる……かも

仕事が面白いかどうかや自分の糧にできるかどうかは、自分次第です。まずは本気で取り組むことが必要条件。ただ、本気で取り組めば、どんな仕事も面白く感じられる……とは限りません。がんばっている自分に酔い過ぎないで、冷静に現実を見る目も必要です。 【相談募集中!】ツイッターで石原壮一郎さんのアカウント(@otonaryoku )に、簡単な相談内容を書いて呼びかけてください。 いしはら・そういちろう/フリーライター、コラムニスト。1963年三重県生まれ。月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』(扶桑社)でデビュー。以来、さまざまなメディアで活躍し、日本の大人シーンを牽引している。『大人力検定』(文春文庫PLUS)、『大人の当たり前メソッド』(成美文庫)など著書多数。近年は地元の名物である伊勢うどんを精力的に応援。2013年には「伊勢うどん大使」に就任し、世界初の伊勢うどん本『食べるパワースポット[伊勢うどん]全国制覇への道』(扶桑社)も上梓。最新刊は、定番の悩みにさまざまな賢人が答える画期的な一冊『日本人の人生相談』(ワニブックス)
壁を乗り越える安藤忠雄の言葉

世界的建築家の言葉が教えてくれた、人生でいちばん大事なこと。

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