Jリーグ“ベトナムダービー”の功罪、過剰PRや起用法に批判の声

「チームとの相性の問題」「ベトナムに帰るべき」……賛否両論の声

 当初は日本移籍を好意的に受け止めていたファンやメディアだったが、現在は批判的な意見も多く聞かれるようになっている。両選手の移籍期間は今シーズン終了までだが、水戸と横浜FCは契約延長を希望しているとされる。これについては、ファンの間でも意見が分かれており、反対側からは「どうせマーケティング目的で出場機会はないのだから、選手として活躍できる貴重な時間を浪費すべきではない。すぐにベトナムに戻るべき」、「チームスタイルとの相性が悪い」という意見があがっている。  一方、賛成側は、「たとえ試合に出られなくても、レベルの高い日本で練習して海外での経験を積むだけで大きな意味がある。日本移籍以降、フィジカルや戦術理解にも改善が見られるので、あと1年頑張ってほしい」と述べている。  日本とベトナム、所属先クラブと所属元クラブ、そして両国のサポーター。思惑や意見は様々だが、選手間交流や新規スポンサー契約など、せっかく形になりはじめたアジア戦略であるだけに、なんとか打開策を見つけていってほしいものだ。 <文/宇佐美 淳>  1981年生まれ、愛知県出身、ベトナム・ホーチミン在住の翻訳家兼ライター。2005年にベトナムに渡り、5年間日本語教師として語学センターや大学で教壇に立った後、2011年にベトナム情報配信サイトの運営会社に就職して編集長を務め、2014年に退社。在職中の2013年にベトナムサッカーの専門サイト「ベトナムフットボールダイジェスト」を立ち上げ、現在も個人で運営を続ける。「アジアサッカー研究所」や「フットボールチャンネル」などでコラムを連載中。 <アジアサッカー研究所> 東南アジアを中心としたアジア新興国と日本およびアジアの国々のさらなる発展のために、各国の取り組みをリサーチし、関係者に共有し、さらなる価値を創造していくことを目的として、人材開発とコンサルティング分野など、日本とアジアのサッカー交流を加速させるプロジェクトとして活動している。http://ja.ifaf.asia/
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