「なぜ“職場”のハラスメントが減らないのか?」電通事件で現役産業医が考えた3つの課題

なぜハラスメントがなくならないのか?

 広告大手の電通に勤めていた若手女性社員が昨年12月に自殺した第2の電通事件に関連して、彼女の長時間残業(過重労働)の実態以外に、職場のパワーハラスメントの存在が注目されてきており、企業や働く人たちの多くに、その問題の深さを問いかけています。

電通本社ビル

電通本社ビル photo by Wiiii CC BY-SA 3.0

 まず、亡くなられた女性社員のご冥福をお祈りします。今回はなぜ多くの企業において、いまだに職場のハラスメントがなくならないのか、その背景や理由について、年間1000人の働く人と面談を行っている産業医の立場から3つ述べさせていただきます。

 ハラスメントとは、一般的にいじめや相手の嫌がることをすることです。職場においてのハラスメントは、職場内での優位性を背景に業務の適正な範囲を超えて、精神的身体的苦痛を与える行為と考えられています。

 職場のハラスメントが減らない3つの理由の1つ目は、ハラスメント加害者側の無知・無自覚・想像力の欠如が挙げられます。

 自覚を持って相手をいじめたい、ハラスメントしたいと考える人は、いないと私は信じます。しかし、残念なことに、他人にしてはいけないことを、“教わってないから”知らない人(無知)、自分の行為がハラスメントに該当することに気がついていない人(無自覚)、自分はそのような指導を受けてきたがハラスメントとは感じなかったので同じ指導をしているという人など、いろいろな人がいるのが現実です。

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他企業でも相次ぐ若手社員の自殺

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